2007年4月現在、Second Lifeの世界で脚光を浴びてるのがビジネス。
今色々な企業やコンサルタント会社がin Worldに突撃してきてますが
我々一般ユーザーにはなかなかその世界を垣間見る事ができません。
その企業の中の一つに、NAGAYAを創設された方が立ち上げた実績抜群のチーム「FORCE」があります。
(NAGAYAに関する記事はこちら)

http://slurl.com/secondlife/Shinjuku/53/91/22
SLの世界をもっとも知る名クリエイター、
そしてFORCE代表のRandy Kamabokoさん(http://randy13.blog58.fc2.com/
)に
本日はお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: 最初にSL始めたきっかけをお願いします。
Randy Kamaboko: SL始めたキッカケは以前やってたMMO(SWG)のお世話になった方々が
SLに移住してしまって、その様子をブログにUPしておられたの見て、
アメリカンなノリなヘンな世界だなと。
週末はパーティーだ!みたいなアメリカのドラマチックなノリに私も便乗したかったって感じです。
emo8889 Xeno: 実際初めてみていかがでしたか?
Randy Kamaboko: とにかく最初は自分の見た目が許せなくてひたすら買い物でした。
見るもの見るもの新鮮で、まさに異文化に飛び込んだ疑似体験の日々で、
まず自分で作ってみたのはTATTOOでした。
そのSHOPを作る過程でハコモノを作る快感に目覚めてしまったって感じです。
で、あれこれ感動しつつ徘徊の日々を続け、桃源郷で知り合った仲間達とNAGAYA
を作る、という流れです。
色々な場所にインスパイアされましたよ。
emo8889 Xeno: 最初はNAGAYAの和風からスタートしたんですね。
Randy Kamaboko: 当初は古めかしい和風家屋ばっかでしたね。
NAGAYAの活動が落ち着いて以降はアタマの中にあったアンティーク、モダン、サイバー、ゴシック、
ありとあらゆるジャンルの世界で一気に吐き出してる感じです。
「ガレージキットのフルスクラッチに近いノリ」
emo8889 Xeno: 建物作りの楽しさとは?
Randy Kamaboko: イコール空間作りだと思うのですけど
SLでのモデリングは限界が見えてるようで、見えないというか。
色々な形の組み合わせを沢山の人がやってるのを見て、
じゃあ自分はそこにこういうテクスチャ貼ってみるか、で、自分も驚いてる、的なカンジです。
ガレージキットのフルスクラッチに近いノリでやってます。
emo8889 Xeno: その中でここだけは絶対譲れないコダワリとかありますでしょうか?
Randy Kamaboko: コダワリですか・・考えた事ないな・・。
強いて言うと遊び心、みたいなとこですか。
ワタシの場合、建物+ガーデニングというやり方で作業を進めさせて頂いているのですけど
敷地内のどこにいっても何か仕掛けがある、そういうのが理想なんですけどね。
なかなか難しいデス。
emo8889 Xeno: 建物作りってそういったアイデアが重要ですよね。
Randy Kamaboko: 特にSLには建築基準なんてないですしね。
プリム使ったモデリングからテクスチャ作りまで
設計図を作る楽しさってのが一番良い表現なのかなと思ったりしてます。
ちなみに設計図=脳内です。
emo8889 Xeno: よく図面を引く人いますがそうではないんですね。
Randy Kamaboko: 実際に図面を正確に引く事はないです。
イメージをプリムつかって確認しながら出来るのがSLの特徴ですしね。
すごくカンタンな間取り図とかは作りますけどチラシの裏レベルです。
でもFORCEは顧客が法人になりますから、
今後は事前にパース作ったりっていうのが必要になるかもしれませんね。
「FORCEはSL内からRLに向けた
ビジネス展開を行っていこうという志で立ち上げた」
emo8889 Xeno: ではRandyさんよりそのFORCEの紹介をお願いします。
Randy Kamaboko: FORCEは特異な形態だと思うのですけど
SL内で活動しているビルダー、スクリプターを中心にモデリングチームを結成し、
さらにRLで経営コンサルティングやイベントプロモート、
税理会計などのスキルを持つ彼等と組織を組むことによって、
SL内からRLに向けたビジネス展開を行っていこうという志で立ち上げた、
出来立ての株式会社であります。
emo8889 Xeno: SLからRLへのビジネス展開といいますと?
Randy Kamaboko: 今って多くの企業がSLに参入してきてますでしょう?
私達は既にSLで多くの時間を過ごしていて、
何が楽しくて、何が受け入れられるものかを知っています。
どういう手段で何を興せばSL内で受け入れられるか、という知識も持っています。
闇雲にSLを新手のビジネス市場だと飛びつく所へ真っ向対決です。
emo8889 Xeno: 過去の実績も他所とは違いますよね。
Randy Kamaboko: そこは売りではありますけどemoさんご存知の通り
SL内で大掛かりなコンテンツを立ち上げるにはお金ってやっぱ必要になりますよね。
私たちはクライアントをアイデアの提供者と位置づけていて、
そのアイデアを、私たちがSL内で培養した技術や知識を提供することで
実現させましょう、ってカンジなのです。
emo8889 Xeno: つまり経験?
Randy Kamaboko: ですね。まだまだ経験豊富とは思ってませんけど
少なくとも、私たちはユーザー視点で展開していく事が可能です。
emo8889 Xeno: なるほど、ユーザー視点ですか。
Randy Kamaboko: コンテンツに対するアイデアが重要なのは当然だとして
やはり基本的に面白い場所の数が多ければ多いほうが、ログインしたくなると思いませんか?
それを増やす事が今のSLにも今後のSLにも最重要な課題だと思います。
emo8889 Xeno: そのために参入してくる企業が心しておくことってありますでしょうか?
Randy Kamaboko: 企業の担当の方と話す段階で私はSLの現状をありのまま伝えるんです。
総アカウント数500万人越えたとしても実際に同時接続が3万人越える事って
ヨーロッパのコアタイムだけですよ、って事から
そのうち日本人は1%程度のマイノリティですよ、って事まで。
SL住人は既に多くのユーザー製のコンテンツで満足している事も、です。
emo8889 Xeno: そうなると企業が入る隙がないと思いますが・・・どうなんでしょう?
Randy Kamaboko: 目的次第ですよね。
国境がないのと同様、企業と1ユーザーの差もないわけでして。
しかし近い将来このようなバーチャルな空間は拡大していく事は可能性として高いわけです。
大きな資本力をもつ企業はその発展をサポートする側に本当はいて欲しいんですけどね。
emo8889 Xeno: そのバーチャル空間の先駆がSLということですね。
そのSLの将来性はどうでしょうか?
Randy Kamaboko: コンテンツ次第だと思います。
ログインして面白いものがなければ、批判だけが残ります。
幸いといいますか現在日本人が非常に多くなりまして、
かつて電化製品などのジャンルでジャパニーズパワーが世界を席捲した時のように
SLそのものを、日本人のパワー主導で動かす事も十分可能だと思います。
オタクカルチャーの面なども含めまして(笑)
日本人がどんどん面白いコンテンツを作っていくことが、意外とSLを引っ張る事になるかもしれません。
emo8889 Xeno: それだけ日本人にはパワーがある。
そのパワーの中にFORCEの存在が大きくあるような活動を続けるんでしょうね。
Randy Kamaboko: 私は一般ユーザーを扇動?するような立場につくつもりはないのでアレですけど
私たちで出来る限りの、おもしろコンテンツを提供し続けたいと思います。
emo8889 Xeno: それほどの志のFORCEを作ったお考えは何だったんですか?
Randy Kamaboko: ずっと個人でやってきましてやはり物理的に限界があるという点と
法人格化することでより大きなプロジェクトに参加できる、という点。
あとは、SL知らないくせにSLコンサルとかほざいてんじゃねぇぞ?的な反骨心ですか(笑
emo8889 Xeno: ただコンサル会社よりも目立つのが一般企業参入。
これは素直に歓迎すべきですか?
Randy Kamaboko: 1ユーザーとして迎えればいいんじゃないでしょうか。
どうせ、という言い方は語弊がありまくりますけど
今のSLに参入しても速攻性のある結果なんて出ないでしょうし
参入してきた企業の名前が大きければ大きいほどSL住人は注視しているし
建物含めたコンテンツの内容が悪ければ逆にブランドイメージ落とすだけですし
むしろメディアの報道の偏り方の方が企業参入より問題だと思いますが・・。
emo8889 Xeno: 今メディア凄いですよねぇ。
Randy Kamaboko: 大事件起こさない限り自分の名前が全国紙の一面に出るなんて
想像すらしてませんでした。
メディア側の視点でみると、文字数の問題とかで現状の報道になってしまうことは理解は出来るのです。
ただし真実の報道、というのはブログなどで、個人が発信できる時代ですから矛盾が生じますよね。
emo8889 Xeno: ビジネス報道では本当にそう思います。
Randy Kamaboko: 今回、SL騒動に直面しましてすごく実感したのは、
やはり報道というものを鵜呑みにせず自分で考える、調べる事って重要なんだなぁという事でして
実際に報道が過熱して、SLアカウント作ってログインしてみたものの、ってパターンの声多いでしょう?
最終的な判断は受け止める側、という非常にいいサンプルがSLだったなーと。
そういう感じなので実際はメディアに意見をどうこうというのはないです。
emo8889 Xeno: FORCEが現在までに携わった実績を教えていただけますでしょうか?
Randy Kamaboko: 現在までの時点では、SLを面白い角度でとらえて参入してこられた
ベンチャー企業が多いです。
で、まだ表立ったSL実績とか表面上出ていません。
他にはイベントには結構あれこれ関ってます
あと現在進行形(2007/04/20現在)のものでは、
かなりのビッグネームのクライアント案件もありますけど、こちらはお楽しみ、ってことで!
emo8889 Xeno: ちょっとした時期予告だけでも・・・○月が熱い!みたいなw
Randy Kamaboko: そうだなー。
来月の半ばには某有名映画のプロモーションをお手伝いします。
ネームバリューあるタレントさんもその際SLにきちゃったり
そんなカンジの面白そうな案件を今後続々リリースしていきます。
「面白いものを作っていきましょう!」
emo8889 Xeno: 最後にこの記事を読んでる方にFORCEからのメッセージをお願いします!
Randy Kamaboko: おもしろい事であれば協力していきましょう!
ただし個人のパワーに勝つには相当の覚悟が必要ですよね。
SLってどのコンテンツも個人の思い入れがひたすら詰め込まれてるじゃないですか。
だからこそ感動や共感が得られるわけで、ひたすら自社製品宣伝!とか
そういうのは受け入れられません。
やっぱり、落ち着くところは「面白いものを作っていきましょう」ですね。
あとビルダーは常時募集中です!
emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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Randyさんが言った言葉の中で「企業を1ユーザーとして迎える」
この言葉は今の日本人ユーザーの現状を非常に表していると感じました。
確かに現在一般ユーザーも企業に負けないくらい素晴らしいコンテンツを沢山製作しています。
その上で「面白いものを作っていきましょう」という自信。
それがRandyさん率いる「FORCE」が発する言葉となれば、当然物凄い期待感を感じます。
本当に沢山の企業が参入してきたSecond Life。
SLはもちろん、そして別のバーチャル空間でも「FORCE」の活躍は、きっと目にする事になるでしょう。
まずはその実力を「OFFICE RANDY」でチェックしてみてはいかがでしょうか?
http://slurl.com/secondlife/Shinjuku/117/163/22