いつも通りの朝
いつもの席

マヤが水とおしぼりを運び
「いつものですか?」ときく
「あゝ、いつものを」

伝票を顔の前に持ち上げ、ゆっくり書き込む
「水城君の家に引っ越すときいたが、
引っ越しはいつなんだ?」

「えっと、日にちは決まっていなくて
水城さんもいつでもいいっていってくれてるし
それに、、、引っ越しっていっても
家財道具がなくて、、」てへへっと笑う

「引っ越し祝いに何か欲しい物はないか?」

「引っ越し、、祝い?ですか」

「あゝ、何でもいいぞ」

「じゃぁ!お祝いはいらないので、荷物運ぶの手伝って貰いませんか?麗、月影の稽古と重なってて、、」と言った瞬間、しまったっと思う。
真澄は忙しい、そんな断られることを口走るなんて

「引っ越しの日が決まったら教えてくれ。
予定が調整できたら、、、いや、調整する」

水城に頼めば、真澄が動ける日に引っ越しを当ててくれるだろう。

「本当ですか!助かります」


「ごちそうさま」
「660円です
あの!引っ越しの日決まったら連絡したいから
LINE交換しませんか!?」
勢い付けて言い切った。

「すまない、LINE、、、してないんだ」

「え!?」

言うんじゃなかった、あの気まずさったら
消えてなくなりたいほど恥ずかしかった。
「水城さん、やっちゃった、、、」
マヤは水城を見た瞬間、わっと泣きついた。

「まぁ、、、真澄様は、ほら
いつでも誰とでも連絡が取れるから
LINE、、、そう、気まずかったわね」

夕方、マヤに会う前の真澄との会話を思い出していた。
「水城君、LINEの連絡先を聞くというのは
どうなんだ?」

「どうとは?」

「その、あれだ。
LINEの連絡先を教えるというのは、気を許しているとか、その、、どんな相手にするものなのか」

「、、、相手の年齢によりますが、
若い、、そうマヤちゃんぐらい若い子なら
電話番号の交換より、気楽なんじゃないですか?」

「別にマヤとは関係ないが
そうか、電話番号より気楽、、っか」

「ええ、用が済めば、スルーするのも気楽ですし
ブロックも簡単ですしね」

「ブロック、、、」

真澄様、いい加減になさいまし。
どんなパーティーのエスコートもあなたは完璧になさるのに
LINEの交換と言われただけで、一喜一憂が、、、

めんどくさい

水城は深いため息をつく。