「間違っているのはあなたよ、ハジメ。
4人とも不幸になるわ」
「そんなことない!
おばあさまは
どうしてわからないんだ!!」
ハジメを抱きしめる弥生は、
より強く力を込める。
「わかるのよ、私にはわかるのよ。」
抱きしめる腕を緩め、両手で頬を挟み
弥生はハジメを見上げる。
「だって、おばあさまはね、
あなたを愛しているから。
ずっと家族を愛して来たわ、
ハジメも麗もね。」
そっと弥生は真澄達に振り返った。
「ハジメを許してください。
ごめんなさい。
ごめんなさいね。
現世で魂の片割れを見つけられることなんて
そうないことなのよ。
私もそう、でもね、幸運にも愛する家族を作ることはできたわ
ハジメがあなた達を引き裂いて、マヤちゃんをお嫁さんにできても、ハジメは幸せになれない。
私は、ハジメの幸せが大事なの」
弥生は、自分の首の後ろに手を回し、
ネックレスを外した。
そして、それを両手で真澄の手に握らせる。
「おばあさま!!それは!」
真澄の目を見ながら弥生はその手に力を入れる。「速水さん、これを」
弥生の後ろでハジメが喚き、そのネックレスを奪おうとする。
真澄は目を見開き、弥生の手ごとネックレスを包む。
「あなたは、これを悪用したりしないと信じてるわ。
身を守るために使いなさい。
マヤちゃんと幸せになりなさい。
それがハジメと鷹宮のお嬢さんを幸せにするわ。
4人が幸せになるために」
ぎゅっと手を握り、ネックレスを真澄に渡し
真澄の手に何かを指で書く。
暴れ狂うハジメを男達が抑える。
「お前達は、誰に従っている!
当主は僕だ!
おばあさまじゃない!!!」
「名ばかりの当主に誰が従うの?
あなたは、これから青木家の当主になるのよ!
全ての力を手に入れる椅子は用意されたわ
あとは、あなたが青木に関わる全ての人に愛情を注ぐことよ。
それがわからないうちは、誰もあなたの言うことに従わないわ。」
真澄とマヤに深々と頭を下げて弥生はハジメを連れて帰って行った。