車が近づき、停まる。
ハジメも真澄、マヤも余裕がなく車の方を見ていない。
パシン!
ハジメの頬が打たれた。
真澄とマヤの前に弥生が立っていた。
「おばあちゃん?!」マヤの声に
真澄は、目の前で背中を向けるのが青木弥生と認識した。
「ハジメ、おやめなさい。
もう終わり。さあ、帰りましょう」
「おばあさまでも邪魔は許さない。
僕が親父から青木家の当主を継ぐために帰国したことを忘れたんですか、
今は、僕が当主だ。
例えおばあさまでも、僕に意見する事は許さない
あなたは、、、、
青木家の当主に逆らえないはずだ!」
弥生は何も言わない。
ハジメは、フッと口元を緩め
マヤを呼び手を伸ばす
「マヤ、おいで」
弥生は、ハジメの手を払う。
その指先から落ちたカプセルを足で踏みつけた。
「そうね、
私は青木家当主には逆らえない。
青木家当主に意見も言えない。
当主は絶対的な力を持つ
何人たりとも抗えない
そうあるべき者よ」
ふわりと弥生の力が抜けるのが背中から見てもわかる。
「ハジメ、あなたは青木家の当主
そう、、
青木家の当主の前に人間のはず
私の最愛の孫よ!」
弥生は力一杯ハジメを抱きしめる。
「マヤちゃんを愛しているのは知っていたわ
出来ることなら、マヤちゃんがあなたの気持ちに応えてくれることを願ったわ
でも、ご覧なさい
この2人を引き裂いたら、2人は生きていけない」
「違う!
おばあさまは間違ってる!
2人は魂の片割れだ、この現世では別れたんだ。
別れたのには理由がある。
他の2つの魂を救えるんだ!
マヤは僕を!速水は鷹宮を!
4人が幸せになれるんだ」
「間違っているのはあなたよ、ハジメ。
4人とも不幸になるわ」