マヤと麗が暮らしていた部屋を開けると
家財道具も何もなくなっていた。
「こんなに広かったかな」
悲しげにつぶやくマヤの頭をポンポンっと叩く真澄はすりガラスの窓を少しだけ開けて周囲を確認した。
押し入れを開けても中身は空
「カーテンもないけど、すりガラスでよかったですね。
外からは見えないし、街灯の灯りで暗闇じゃないもの」
「そうだな」
真澄は、上着を脱ぎ畳に座る。
「お水出るかなぁ」
台所の蛇口を捻ると水は止まらず出続ける。
「やった!水道止まってないから
おトイレ使える!」
座る真澄の前でマヤは、勢いをつけて言う。
「お願い、おトイレについて来て」
「な、、、なに?!?!」
「だって、おトイレから戻ったら速水さんがいないとか、、、その」
「わかった」
押し入れを背に足を伸ばし、マヤを腕に抱きながら真澄は色々なことを考えていた。
「速水さん、、、私、、ハジメさんに」
「言わなくていい、聞くこともない。
何があっても俺は君を愛してる」
「聞いて欲しいの」
真澄が辛そうな目でマヤを見つめ首を横に振る。
「お願い聞いて。
ハジメさんの気持ちに応えようとしたの
私、、、ハジメさんを受け入れつもりだったの
でも、最後の最後でハジメさんの声が速水さんの声に変わったの『俺のものだ』って
私、、、どうしても出来なかった」
真澄は目を見開き堪えきれずにマヤを押し倒した。