マヤと大都芸能のマネジメント契約案ができた日
真澄は再び聖とハジメの自宅へ向かった。
マヤと握手した日から、まだ1週間も経っていない
あの壁の前に立つと、エレベーターが現れる。
「この入り口、慣れそうにないな」
庭に着くと、コソコソとハジメが近づいてきた。
「どうかなさいましたか?」
「シーーーーーっ」唇の前で人差し指をたてウインクするハジメ
自分の最愛の女を奪うと宣言した男
「こっちこっち」庭の植え込みを腰を曲げて進む
真澄も聖もハジメに合わせて植え込みに身を隠す
目を見開き呆然とする真澄に
ウエディングドレスの仮縫い中のマヤが振り返った。
「ど、、どうして」
口元に両手の先をあて震えるマヤにハジメが慌てる
「マヤちゃんのウエディングドレス、
ちょっとだけみたかったんだ、ごめん」
顔の前でパチリと音をたたて両手を合わせる
「嫌!出てって、出てってよ!」
悲鳴のようなマヤの叫び声
その後、真澄はどうやって社に戻ったのか
記憶が曖昧になる程のショックを受けていた。
猛烈に怒るマヤは、ハジメに怒りをぶつけた。
「どうして、あんなことするの?
私、、、あんな、、あんなことすることない!」
「マヤ、おいで
僕達は出会って1月だ、歳も11歳離れている
それだけじゃない
彼でなく僕との将来を選んだとしても
君と速水さんは今も愛し合ってる。
でも、君は決めたんだろ?
君が待っていると思えば速水さんは君を諦められない。
速水さんが楽になるように
速水さんが君を諦められるようにしてあげなきゃ
」
「速水さん、、速水さんの苦しみが
私を愛しているからだなんて、辛すぎるもん」
「そうだよ、みんなが苦しまず
それぞれが幸せになる唯一の方法だ。
いつか、速水さんの紫織さんへの同情も愛情に変わる。
彼のために僕と結婚する君も、いつか僕に恋をする
今、大都芸能はもちろん、大都グループはね
僕のものなんだ。
君が愛した男だからって、僕は彼から全てを取り上げたり、潰したりしない。約束する。
僕は君を待てる。
何よりも愛しているから
そうだ、いい子だ、それでいい。」
ハジメは、そっと抱きしめていたマヤの体を少し離し
少し屈んでマヤにキスをした。
触れるだけの優しいキス
伊豆で真澄とした激しいキスとは違うから
マヤは、その触れるだけのキスを受け入れられた。
「さあ、僕は、君の恋の相手になれるように頑張らないと、ね!」