「送るよ」
「大丈夫です、1人で帰れますから」
「麗の顔も見たいし、、
それに、、、お腹空いたんだ。
どこかで夕飯を一緒にどうかな」
マヤの腹の虫がマヤに代わって返事をした。
真っ赤になって俯くマヤの頭をポンポンと叩き
笑いながら2人は街へ出た。
今日のこの時間、彼は車でこの道を通る。
「あゝ、俺だ。調べてくれたか、あゝ」と電話をしながら、何気なく車窓を眺めていると
ハジメとマヤが手を繋ぎ楽しそうに歩いている。
こんな偶然、、、「マヤ、、、」
「もしもし、真澄様?もしもし?」
「あゝ、すまない。それで、、」
真澄を乗せた車がマヤ達を追い越していく。
「なんだって?」
銭湯の帰り道、例はすっとんきょうな声を上げた。
「兄貴の世話係?バイト?」
「マヤ、兄貴のことなんだけど
私と兄貴は歳が6歳離れてるし
ずっと一緒だったわけじゃないんだ。
昨日、何年かぶりに見た兄貴は別人みたいだった。
顔は変わってないよ。でも、、、
あんなに人懐っこい感じ、フランクさはなかったし
高級志向なのは変わってなかったけど、あのブランドでパーカーを選ぶっていうタイプじゃなかったんだ。なんか、、いい方に変わったとも思いたいけど、、、なんていうか違和感があるんだ。
こんなこと、、、あれだけど、、気をつけた方がいい」
「何言ってるの?ハジメさんとってもいい人だったよ。私が次の舞台決まるまでか、ハジメさんがまた海外に行くまでの間だし
あ、、でもね、バイト代は断ろうと思うの」
「兎に角、気をつけるんだよ
小さなことでも何かあったら必ず私にいうんだよ。
それから、バイト代は貰っていい!
なんならボーナスも貰っていい!」
2人は笑いながら、アパートに入った。
次の日からマヤは、ハジメの自宅に通った。
前日に来たものの、あのエレベーター
どうやって乗るか聞いてなかった。
スマホでハジメに連絡をしようとすると
壁が動きエレベーターが現れた。
「ここのエレベーター、慣れる気がしないんですけど」どこかぐったり疲れているマヤに破顔のハジメ
「ビルに入る前から、マヤちゃんは監視カメラに捉えられてるだろ?だから、壁の前に立つだけでエレベーターがくる。そしてマヤちゃんがたどり着くべき場所で扉は開くんだ。
顔認証がセットされているから、僕がいなくても
ここには来れる
僕がケーキが食べたくなったら、君がおりるのは商業棟のケーキ屋さんのあるフロアになる」
「よく分からないけど、
マスクとか変装しなかったら、鍵とか場所とか考えなくていいってことね」
「変装?!」再びハジメは笑い出す。
「さあ、今日から
この書類とあの段ボールの中のものを片付ける!
さあ、同志よ!いざ参ろうか!」