使用人が持って来た書類に弥生が目を通し
「まぁ、、、そう。
麗、、、あなたの役は、オーディション前にその谷君にやらせたいって演劇部の先生が決めてたらしいわ。
演劇部の先生、、、最初はオーディションで谷君を指名したんですって。
あゝそう、、これは良くないわ」
弥生の膝で自分を見上げる麗の頭を撫でながら
「麗は、やさいしい子ね。おばあさまに任せなさい。大丈夫よ、おばあさまにできないことはないんだから。大丈夫。青木家にできないことはないのよ。」
次の日学校に行くと
玄関でその男の子と両親が私の乗った車に頭を下げてたんだ。どうなったのかは知らないけど
わたしが教室に入ると、みんながわたしを見てた。遠くからね。
その日から友達も何も無くなって、学校では誰とも話さなくなって、、
「麗」マヤが涙目で麗を見つめる。
「何であんたが泣くんだよ。
昔の話さ、学校に行くのが苦痛でね
でも、演劇があった。家族の目を盗んで舞台を見に行ったり、演劇雑誌を買い漁ったり、、、月影先生に出会ったんだ。
先生は「あなたが演じたいならやってみなさい」って言ってくれて、家のことも一切聞かず受け入れてくれた。
わたしはそれからずっと幸せさ。
あんたみたいな親友がいて、劇団のみんながいて
みんな家族みたいだから
さあ、電気消すよ!」