とても辛いけど、自分をピュアな存在に戻してくれる通過儀礼のような気もする。
スマホの画面の光
活字を読むこと
人の会話を聞くこと
排気ガスの匂い
多すぎる食事
クーラーの風
考え事
普段は何の気なしに受け入れられるささいなことも、
風邪のときはそれらにとても過敏になり、吐き気や頭痛がするほど気持ち悪く、
無抵抗なほどに何もできなかった。
仕事先に"休みます"メールを1通出すだけで、とても疲れた。
近くの病院に行って帰ってくるだけで、もうぐったり。
普段はこれを、、、これ以上のことを当たり前にやってる。
いつもこんなに頑張ってくれてるんだな、自分の心と体。
すげーな。それなのにまだ頑張ろうとしてたんだ。
熱にうなされながら、なぜか涙がとまらなかった。
汗と涙が、自分の中にある悪いものを一生懸命流し出そうとしてくれていた。
熱が下がり、感じてることを書き綴っている矢先、
突然、停電。
外に出てみた。信号機さえ光っていない、真っ暗な世界。
うちだけじゃなかったみたいだ。
夏の生温かい風が、病み上がりの朦朧とした頬にあたる。
近所のざわつく声。不満の声。
クーラー使えなくて暑いだの、
冷凍庫の中身が腐るだの。
その光景に、怖いけれど、
なぜか落ち着く私もいた。
このまま停電でいれば、今日は星がよく見えるぞなんて呑気なことを考えていた。
冷凍庫の中身だけは心配したけど←
噂によれば復旧まであと1,2時間かかるらしい。寝ることしかできず、人工の光や音に過敏な今の私には、何も問題ない。
静寂に包まれた世界。
聞こえるのは風の音。
遠くで救急車のサイレン。
何かあったのかな。
"みんな働きすぎよ。少し休みなさい"
停電さえも、そんなことを言ってくれてるような気がした。
震災後の計画停電を思い出した。
あの頃のことを、私も含め、みんな忘れていたよね。
電気がないと、何もできない現代人。
何を言いたいんだろう、私は。
病み上がりのボケーっとした頭では、まとめられない。
勝手に何か感じ取ってくれ。
そろそろ疲れてきたので
またおやすみなさい。