こうして、歌唱王のオーディションに撃沈した私は、

まず、これから通うボイトレ教室をGoogleで調べまくることから始めた。


2016年当時、息子は4歳。

初めての育児、しかもワンオペだったので、今思えば、

〝あんなにストイックになる必要はなかったのに…〟

と思うことが沢山あった。


例えば、テレビも絶対にNHKのEテレしか付けなかったし、

BGMも童謡しかかけなかった。


ぶっちゃけ、育児ノイローゼギリギリだったと思う。

〝母親というのは子供の為に、全てを犠牲にしなければならない〟

という強迫的な考えの中で、ある日突然、


〝自分が一人の大人として幸せを享受する為の趣味〟


を見つけ、本当にワクワクした。


その頃は高輪台に住んでいたので、家から歩いていける範囲で検索した。


あるスクールにたどり着いた。

五反田にあるそのスクールは、何でも、



歌上達の秘訣は【発声】【レコーディングで歌唱力を身につける】【録音した歌を聴き問題点を知る】



という独自のアプローチ方法で歌の上達を目指すというのだ。

ダウンダウンダウン



歌唱王(←2016年は落ちたので、翌2017年)に応募する為には、録音した音源か歌っている様子を撮影した動画を送る必要があった。

カラオケでの自撮りだと、ハウリングしやすく(音がかなりワンワンして、キーンってなるあれ)、〝こんな素晴らしい環境で録音した音源を送れるならぜひ通いたい!〟

というわけで、私は、ワンズウィルの体験レッスンに行くことにした。

ダウンダウンダウン


2019年に移転した今のスタジオは、下の写真の通り、めちゃくちゃ綺麗だが、私が門戸を叩いた2016年当時はそーとー年季の入ったビルの一室で、めちゃ怪しんで行った記憶がある(笑)。

(新しいスタジオダウンダウンダウンはとてもおしゃれで綺麗💕)



レコーディング用の部屋に入り、ヘッドホンをつけ、テレビで見たことのあるようなマイク🎙️に向かって初めて歌った時の高揚感は今でも鮮明に覚えている。


問題はレコーディングした後だ。

体験レッスンには、ワンズウィルの社長である中山氏と、のちに私の師匠となり、また同時に、最大の〝推し〟の一人となるシンガーソングライターの向井成一郎氏の二人が立ち合っていた。

(向井せんせー↩️)



今、まさに今、自分が歌った歌が、スタジオの巨大なスピーカー🔈から流れて来る…。


ぎゃあーーー😱


自分の歌を客観的に聴き、さらに評価される。

〝これは苦行だ…〟としか言いようがないほどしんどかった😂


一番最初に助言を頂いた時の記憶は今でも脳裏に焼き付けられている。


〝ブレス(息を吸う時)の音を、マイク🎙️に近づけて意識的に入れてみて!

ほら、平井堅さんみたいなイメージで〟


確かそんな感じだった。


それまで、38年間、完全耳コピである意味適当に歌ってきた〝息継ぎ〟には、〝ブレス〟というきちんとした専門用語があり、かつ、それは、単にフレーズとフレーズを繋ぐ為に存在するのではなく、


〝歌の表現の一部〟


である、という事が新鮮でならなかった。

他の技巧をもっと知りたくなった。

(向井センセーのYouTubeをぜひ❤️)


ここから、私の歌へののめり込みがスタートする。

(続く)