今、Netflixにおりてきている、〝ブラッシュアップライフ〟が熱い。



主演:安藤サクラさん×脚本:バカリズム。

〝平凡な人生をもう1度やり直す、平凡な女性のお話〟

として紹介されているが、輪廻転生や、人間の〝徳〟についてなど、掘り下げて考えるトピックとしては、非常にディープなのに、信じられないくらいコミカルに仕上がっている最高の作品だ。


以前、「臨死体験」というタイトルで、敗血症(重度の感染症)で私自身が死にかけた話を書いたが、死を目の前にすると、人間の価値観は衝撃的に変わる。


お正月早々、震災や痛ましい航空機事故などが続き、

正直、ブログでこうしたトピックに触れること自体がためらわれ、何を軸に投稿すべきか一週間ほど悩んだ。

でも、私達のように、病気で死と隣合わせになる事を経験していると、〝人生、いつ死ぬ分からない〟という真理を嫌というほど思い知る。


リアルに死を実感した、その後(38歳)からの人生観を少しずつ吐露したいと思う。



2015年、12月。

ほぼほぼ昏睡状態に陥ってから3日後、私は史上最上の眠りから覚めたかのようにスッキリしていた。

その夜の事である。


何気なく観ていたテレビで、日テレの〝歌唱王〟という番組が放送されていた。

当時は、もっぱら〝採点式〟で100点を争う番組が流行っていたが、〝歌唱王〟は審査員が紅白みたいに十名くらい居て、観客や視聴者も投票して優勝者を決める、珍しく〝人の心にどれだけ訴えているか〟という基準で優勝者を決める形式を取っていた。


ちなみに、私が観ていたこの頃(第4回や5回)は、まだ〝素人参加型のオーディション番組〟という朴訥(ぼくとつ)とした雰囲気で、今みたいに、すぐにプロ転換できてしまいそうなスーパーキッズも特別審査員のYOSHIKIもいなかった。


決勝まで進んだ中の一人、鹿児島県志布志市の小さな小学校の教員である坪田俊一さんが、歌い始めた時、思わず、動かしている手を止め、私は病室のテレビに穴が開くんじゃないか?というくらい凝視した。


📎https://x.com/yazawasp/status/822078757284429824?s=46&t=8L6ZEJhIleboaY1tPYYjdA


そして、坪田先生が歌い出した途端、張り詰めた何かがポーンと弾けたように、涙が止まらなくなり、嗚咽した。

〝自分は死の淵から助かったのだ…。こうして、大好きな歌を聴いたりできる。音楽を享受できる。生きているんだ…〟

という実感が、言葉にはならない想いとして炸裂して、溢れ出てきた。

今まで聴いた歌の中で、一番感動した瞬間だった。

ちなみに、坪田先生は、その年、見事に優勝した。


そこから、何をどう思ったのか、未だに理屈ではうまく説明できないのだが、私は〝この番組で歌いたい!〟

と思い立ち、退院してすぐ、翌年分のオーディションに参加する為に、日テレにデモテープを送ろうと決めた。


音源は、動画でも、音声だけでも良かったので、

たまたまググって調べて出て来た、家の近くのボイトレスクールの門下をいきなり叩いて、〝歌唱王に出たいから、応募する音源を出す為に歌を録音して欲しい〟

と押しかけた。


ピアノ🎹は小学校の6年間だけ、バイオリンは中高と習わせてもらったが、どちらもお世辞にも上手いとは言えなかった。

歌は、通信カラオケが出たばかりの世代で、ただただ好きだった。

その時、自分の歌唱力を俯瞰してあれこれ考える思考など全くなく、私は、〝自分にあと何年残されているかわからない。残りの人生、好きな事、できなかった事、とにかくワクワクすることをやり倒そう!〟と決めたのだった。

(写真は新しくなってからの、ボイトレスクールのスタジオでのレコーディング風景。

サイショノスクールハマジボロカッタノヨ㊙️w)


こうして、生まれて初めて、プロ仕様のレコーディングスタジオで録音した音源が、これ↩️。

(携帯のDrop Boxに保存されていたので、自宅のコンポにBlootoothで繋いでます)


鬼束ちひろ 名曲、

「流星群」。

(月光と並んで、Trickのテーマ曲だったと言えば30代半ば以降の方なら分かるだろうか)


結果は…


まさかの一次審査合格!!

日テレから〝2次審査を受けて頂きたいので、局に来て欲しい〟

と電話がかかってきたのだ!


(続く…)


Emma拝