本日、
基本はその方々にむけて、なのかもしれません。
聖路加国際病院リエゾンセンターの
精神腫瘍科を受診してきました。
先日のピンクリボンシンポジウムで
保坂隆先生のお話を拝聴し、
「やっぱり
どうしても一度受診しておきたい」と、
乳腺科の主治医に紹介状を書いてもらい
電話で予約しておいたのです。
(なかなか予約が取りづらいのかと思いきや、
わりと早めに取ることができました。)
なんとなく精神腫瘍科は
病院とはちょっと違う場所に
あったりするのかなと若干緊張して行ったのですが、(私の勝手な思い込み)
普通に病院の中にありました。
(初めて聖路加国際病院に行きましたが、
綺麗で明るくて雰囲気の良い病院でした。)
待合室に行くとさほど待つ事もなく、
保坂先生の診察室へ。
まずは
昨年の9月に乳がんが発覚したこと。
9年前にうつ病で倒れた事があること。
乳がんになったことよりも
乳がんになって鬱になることの方が怖かったこと
などをお話しました。
「あなたは鬱には詳しいと思うんだけど、
(うつ病になった事があるから)
今、自分はうつ病だと思ったりする」
と聞かれ、
「かもしれない、と疑ってはいます」
と答えました。
私にはどうしてもどうしても
先生に聞きたいことがありました。
先日のお話や著書にも書かれていた
「どうしても生きたい理由を明確にする」
という事について。
これは今まで誰にも言えなかった事なのですが、
(気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれません。すみません。なので誰にも言えなかったのです。)
今の私には
「どうしても生きたい理由」が
見つからないんです…。
独身で子供もおらず、守るべきものがない。
両親よりは長生きしないといけないな
とは思うけれど、
私がいなくても大丈夫なんじゃないかな
ともどこかで思っている。
まだまだ行きたい場所や
やりたい事もいっぱいあるはずなのに、
どこかで「もういいかな」と
思ってしまっているところがある。
それはかつて一度鬱になってしまった事によって
「生きる事への執着」が
薄くなっているからなのか
今、自分がうつ病の状態にあって
前向きになれなくなっているせいなのか。
どうすれば「どうしても生きたい理由」を
見つけることができるんでしょう…。
「うん、大丈夫、
僕がちゃんと見つけてあげますから。」
保坂先生にサラリとそう言われ、
ちょっと泣きそうになりました…。
ああ、もっと早くここに来れば良かったなぁ…。
「同病の人達と話をしたい
逆に話をしたくない」
「正直どっちの気持ちもあります。」
「実は僕のところではグループ療法
(日本で唯一だそうです。)をやっていて
たまたま来週から3回、2ヶ月ぶりにやることになっているんです。
もう満員ではあるんだけど、
都合がつくならそこに入ってみたらどうかな
今はあまり関心がないようだったら、
また別の機会でもいいけど。」
「認知行動療法を今まで拒んできた()
私でも大丈夫ですか」
「全然大丈夫です。
別に今、あなたはうつ病じゃないからね。」
「そうなんですか
全くやる気(特に労働意欲)が出ないんですけど…。」
「そこは注意深く見ていてあげるけど、
とりあえず鬱の薬は予防的に出そうと思っています。
うつ病経験者がタモキシフェンを飲むと
やっぱりセロトニン系に影響があるから。
タモキシフェンを飲んでいるだけでも数パーセントの人が鬱になるんだから、
うつ病経験者がそうなる可能性は高いんだよね。
うつ病になってから薬を出してもいいんだけど、
やる気が出ないのなら少量の薬を
今から出してもいいかと思っています。」
「はい、お願いします。
(できるだけ飲みたくはないけど、
腰が痛くて運動もできないし、
今は薬に頼るしかないな。)」
「あなたはやっぱり他の患者さんが
どういう目的を持って生きているのか
聞くといいと思う。
どんな事を考えながら生きているのかというのは
なかなか他では聞けないから楽しいよ。」
ということで
今日から薬(トレドミン15mgと吐き気止めのナウゼリン)を飲む
来週からSmileRing(グループ療法)に参加する
ことになりました。
「ここにたどり着けたんだから
もう大丈夫。」
(あれ…なんかもう
大丈夫な気がしてきたぞ単純。)
「あ先日の先生の講演
をお聴きして、ブログにまとめたら
「とても役に立ちました」って言ってくださった方がいたんです。
今日の診察の事もブログに書いてもいいですか」
「もちろんです。
グループ療法の事も書いていいよ
なかなかこういう治療をしている病院があるんだ
という情報までたどり着けない方も沢山いるから
少しでも知ってもらえれば。
そういう人を一緒に助けましょう。
ほら、もうあなたの役目ができたね。」
いえ、そ、そんな…
そんな大それた役目は
私にはとてもとても…
でも、もしかしたら
どなたかの参考にはなるかもしれないので、
受診後に私が感じた事などは続けて書いていければと思います…。
うつ病経験者なので
私はもうあまり抵抗はありませんが、
精神科や心療内科を受診するのは
最初はやっぱり勇気がいります。
でも、もし少しでも気になったら
「私がうつ病になるはずがない」
と自分に言い聞かせるのはやめて
早めに受診するのが良いと思います。
うつ病も早期治療に越したことはないので…。
(疲弊しきっている時に病院を探すのって
本当に大変ですしね…。)
今日お聞きした保坂隆先生の情報を。
今週の週末、10/29(土)は
ちょっとディープそうですが、
高野山東京別院にて
「祈りと瞑想」というイベントで
「祈りについて」というタイトルで講演されるそうです。
私は仏教徒ではありませんが、
「祈りの遠隔作用」にはちょっと興味があるので
行ってみようかなぁと思っています。
11/16(水)に聖路加国際病院で
ピンクリボンシンポジウムで講演された
「いったいどうやって乳がんを乗り越えていけばいいのか」
と同じ内容のお話が聞けるそうです。
(参加できなかった患者さんが沢山いたそうで、
事前予約ナシでどなたでも参加可能だそうです。ただ、収容人数が100名とのことですので、ご注意ください。
そのうち情報がこちらにアップされるかもしれません。)
そうそう、診察室を出ようとした時、
「一個聞いていい」
と保坂先生に引き止められました。
「はい」
「どうして結婚できなかったの」
「ひょえ〜っ」
「結婚する気がなかったそれとも機会はあったんだけどダメになった」
「うーん…独りが楽しかったんです…
今は寂しいですけど。」
「OK。じゃあこれから結婚しなさい。
パートナーと一緒に生きていくという
人間に与えられた課題の一つを
あなたはまだ達成できていないから
それを「どうしても生きなきゃいけない理由」の一つに入れて、ちゃんとパートナーを見つけて達成しなさい。」
「は、はいっ…」
………なんというか
他の人に言われても
きっと心に響かなかったであろうこの言葉。
(「余計なお世話」で終わっちゃいそうですよね)
何なんでしょうこの説得力…
(高野山の力)
た…達成しないと…