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「肺が膨らんでいない」

そう言われて、一瞬理解ができなかった。

だから?なに? 


だけど、いつもとチャトランの様子が違った。

全く身体が楽になる様子がない。


院長先生は私が持って来たセンターの結果を見て、なにやら書き込んでいた。

もはや、狭心症と心筋の違いを聞いてみる頭の余裕なんてなかった。


「肺が膨らんでいない」🟰おそらく長くは持たないだろう。

おそらくそう言うことなんだろう。


しかもチャトランの心臓は、キセキだとずっと言われていた。

いつ止まってもおかしくない。

こんな心臓で動いているなんて、信じられない。

診察した先生の全員がそう言っていた。


私だって今までの診察後との違いは分かった。

呼吸が全然楽になるなっていない。

おそらくこの三連休が山場だろう。


当のチャトランはどんなに苦しいし辛い、怖いだろうか。


今までと違う自分に不安や恐怖を抱きながら、本能で自分の余命も分かっていたんじゃないかな。

苦しいね、怖いね。

ごめんね。ごめん。ごめん。


代わってあげられるなら代わってあげたい。

可能であれば私の寿命の何年かの代わりにチャトランを元気にして欲しい。

チャトランの代わりに苦しみや痛みを私に下さい。

少しでもチャトランの痛みが減るなら。


だけど。

そんな夢みたいな事がキラキラと叶うなんて漫画やドラマの世界で。


リアルでは残された人間の覚悟と準備が必要。