マトリョーシカへ贈る会 | えみぞーのブログ

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バリ舞踊を踊っています。
バリ舞踊家・荒内琴江氏に師事。
師主宰のバリダンスグループNaga Jepang(ナーガジュパン)メンバーです。

師匠主催の福生市・甘蔵バリ舞踊公演。

その客席に、いつも満面の笑みで座っていてくださる方がいました。

ほぼ全ての回を予約し、毎回それはそれは楽しみにしていたあの方の、あまりにも早い旅立ち。。

お世話なったあの方へ感謝を贈ろう、と先生が送る会を企画しました。




師匠は、彼女にご縁のある方々に来て頂きたいと話に訊いただけでしかないマトリョーシカのお店や、好きだったケーキ屋さんetc...へ、自ら足を運んでお知らせして回ったのです。突撃で。

すごいなぁ、、あつい。血が通っている。。

そう出来る事ではありません。


当日は彼女と交流のあった、遠方に住む踊り仲間もネットで同じ時に舞ってくださったり、出演しない仲間も進んでお手伝いを買って出てくれたり。彼女の愛した美味しいもの沢山の差し入れ。。もうほんとうにあたたかで🌼






彼女のすきだった演目を捧げました。


昔、その方と一緒に甘蔵公演を観、ふたりで帰ったことがあり少し酔った彼女は、舞台女優であった頃の話をしてくれました。

ご主人も俳優さんというカップル。

赤ちゃんを授かった時、二人とも不安定な仕事では困ると、彼女が女優を辞め保育士さんに転向したのです。

『でもね、考え方を変えればね、保育園でもお母さん役、動物やお花になったり、子供になって遊んでみたり女優と同じだなって思ったの。

それに子供も好きだし、いいの。いいのよ』

…と、涙をこぼしながら、笑顔で話すのです。


しかし保育士の仕事が大好きであったのも本心。

ひとの幸せというのは考え方ひとつで、ずいぶんと変えられるのだと、深く心に刻まれたものです。


お子さん達が立派に成長されたので、彼女は旅に踊りにスケッチに、好きな事に邁進しました。

そんな中、昨年たまたま出逢ったマトリョーシカ🪆

木彫りのあたたかな玩具づくりに目覚め、来る日も来る日も彫り続けました。

五百羅漢を作る勢いだね!

と先生と冗談で言っていたけれど、病がすすんでいた彼女にとっては、祈りそのものだったのかもしれません。

不安や痛みで眠れない夜も、マトリョーシカを作っていれば朝を迎える事ができた、と。

その苦しみたるや、、、



出逢いからたった半年の間に、ずいぶんと沢山つくられました。あまりの可愛さに、みんな次から次へとオーダーしたのです






ワタシは自分へと、友の子に。すぐに気に入って、ギュッとしたそう


マトリョーシカの先生から『けっこう彫るの大変なんですよ』と初めて伺い更に驚きました。

材料もまだまだ発注してあったし。。どれだけパワフルなのでしょう!



彼女の生きざまを目の当たりにし、みな口々に、考えさせられる、と。

今、やりたい事をやらねば!と発奮する方

前向きに生きる姿勢を見習ったり

自分にはあれだけ想ってくれる友はいるだろうか?また、自分は友に何かしてあげられるだろうか?と自問した方も


。。。彼女の笑顔から、学ぶことはたくさん。




さようなら。ひまわりのような貴女。

また会う日まで




琴江師匠

による作品 “ひまわりの背中”