ちょっとだけ涼しくなった
夏の終わりのある日
突然インターホンが鳴った。

玄関を開けると
そこにいたのは
1ヶ月ほど前のあの時
ふたりだった。



8月の暑い日
私の家の前で
車が動かなくなって
道端に立っていた
91歳のおじいちゃんと
90歳のおばあちゃんのご夫婦。

たまたま私が
ガリガリ君を買いに
出かけようとした時に
ふたりを見かけて

あぶと一緒に
保険会社に電話したり
レッカーの手続きをしたりと
ほんのちょっとだけ
お手伝いをした。

 

 

ありがとう

 


どうしても
あの日のお礼がしたいから、と
新米10キロの袋を持って
来てくれたのだ。

「きっとおいしいと思うから
 どうぞ食べてください」


ふたりして
深々と頭を下げる。

ああ…

「ありがとうございます! 
 週末は娘の体育祭なんです。
 このお米を炊いて
 お弁当においしいおにぎり作ります」


私がそう言うと、
ふたりはうれしそうに笑った。



ありがたい
ありがたい
本当にありがたい。

こんなにうれしいことはない。

あの日、もうじゅうぶんに
ふたりからは大切なものを
いただいたのだ。

それなのに
またしても
こんなに素敵な贈り物を…



生き急ぐ時間が止まる。

あ、私
突っ走っていて
ゆっくりさんな時に見える
美しい景色をまた忘れてた…
そんな気持ちになる。

こんな時
生きるって素晴らしいって
心から思う。

いただいたお米が
世界でいちばん

おいしいお米だってことは
すぐにわかった。

だって
ふたりのキモチが
いっぱいつまったお米なんだから。



ふたりはまた突然現れて
私の肩を、とんとん、と、たたき
言葉以上のものを
そっと置いて帰った。

Life is beautiful.

本当にありがとう、
おじいちゃん、おばあちゃん。



ふたりと初めて出会った日のお話が
こちらに書いてあります。

助けられたのは私


 

 

 

 

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