大きな病院で診察とエコー検査後、初めてのMRIを受けることになった。
紹介状があったからか、何もかもがトントン拍子に進む。
■MRIの注意事項
- 貴重品はロッカーへ入れて鍵をかける
- 服を脱いで検査着に着替える
- 金属は身につけない
- 下着はホックのないものならつけたままでOK
- ユニクロのエアリズムのタンクトップみたいなものなら大丈夫
- ネックレスなどの金属類は外す
- ジェルネイルは落とす(除光液は売店に売っているらしい)
- 湿布など体に貼っているものは剥がす
- カラーコンタクトも外す(普通のコンタクトならOK)

ロッカー室を案内され、看護師さんに注意事項を確認する。
「あ! これ剥がさないとだめですよね?」
「あーそうですね! お願いします」
右腕の袖口にムヒパッチ。
肌色でフィット感もあるから、危うく見過ごしてしまうところだったけど、アンパンマンの顔が書いてあってなんとか気づけた。
もう秋だというのに、蚊にさされた。
これが腕を動かすたびに服の袖口にこすれるため、いつまでも痒く治りが遅かった。
治癒力が弱まっている。子供の頃はムヒを塗って2日後にはどこを刺されたのかわからないくらいに回復していた。
それが40代になってから蚊にさされると1週間はかかる。
早く治したくて買ったのがこのムヒパッチだった。
アンパンマンは幼少期大好きだったが、さすがにこれは可愛すぎないか?と思い、無地のものを探したけど見つからずこれを買ってきた。
が、これがなかなか良い商品だった。
貼るとわずかな清涼感があり痒みが軽減。掻いたり服にこすれることもない。
アンパンマンが毎回必ずバイキンマンをアンパンチでやっつけてくれるみたいな安心感があった。
「これ貼ったままだとどうなってたんですか?」
「火傷しちゃってたかもしれませんでしたね」
「……」
アンパンマン、ありがとう。

「どうぞ」
名前を呼ばれMRIの機械がある部屋に通される。
入るとそこには白いベッドとベッドが入りそうな大きなドーナツ状の機械が。
見た事あるぞ、これ。
今からあの中へ入るのかと思うとわくわくした。
ベッドに横になると、両手を胸の上に置いて撮影の邪魔にならないようにということと、ドーナツの中は大きな音がするので少しでも緩和できるようにと頭にヘッドホンをかけられた。
オルゴールの音って、癒されるなぁ。
でも。
ピーピードドドドドドドド…という大きな音。
これヘッドホン、全く意味ないかもです……。
程なくして「おつかれさまでしたー」という声。
10分くらいだったかな。
無事にMRIを撮り終えた。
■MRI検査結果
- 子宮後壁筋層から漿膜下に長径10センチの巨大筋腫を認めます
- 他にも多数の子宮筋腫を認めます
- 内膜病変は指摘できません
- 頸管にはナボット嚢胞を認めます
- 左右卵巣にそれぞれ6センチ以上、8センチ以上の多房性嚢胞様病変を認め、大部分は脂肪の信号です
- 皮様嚢腫を疑います
子宮多発筋腫と両側に卵巣皮様嚢腫疑い。
MRIの画像で自分の体がどういう状態なのかが見れたことに感動した。
子宮の裏側に大きな黒い丸があって、それがおなかのほとんどを占めていた。
子宮の前側にも小さな黒いものがあり、右と左の卵巣にも黒い影があった。
「こんなに大きいものが私のおなかの中に……⁉」
「そうですね。結構大きいですよね」
「卵巣はどうですか? 捻転の危険性はありますか?」
「卵巣は骨盤に収まっているので、捻転する可能性は低いでしょう」
「そうですか!よかった~。特にそれが心配だったんですよね。仕事中に急に捻じれて痛くなって救急車で運ばれて緊急手術とかなったら大変だと思って。ものすごく痛いって聞いたので」
「ええ、痛いですよ。でも不幸中の幸いといいますか卵巣は大丈夫だと思います。子宮筋腫も特にいまemitさんにつらい症状が出てなければ、このまましばらく経過観察でよろしいかと」
「うーん。でも最近、頻尿とか膨張感で苦しくなってきたんですよね……手術しようかな」
「手術にも合併症や後遺症などのリスクがありますから、するかしないかはemitさんの意志にお任せします」
うーん……どうしよう。
そういわれると悩んでしまう。
経過観察で閉経まで逃げ切れれば一番いい。
でも、このままあと10年以上閉経しなかったら?
なにかの拍子に卵巣が骨盤から外れて捻転したら?
ずっと悩みを抱えたまま生き続けるのは、結構しんどい。
それなら、早めに悩みの種をなくしてしまうのが一番健康的かもしれない。
「あの、腹腔鏡手術ってできますか? 仕事復帰も早いと聞いたので、腹腔鏡を希望します」
私は手術をするなら、まずは腹腔鏡を希望しようと決めていた。
手術から社会復帰するまで開腹は1か月、腹腔鏡は2週間で済むのが大きい。
また、傷も小さくて済むのはかなり嬉しい。
巨大筋腫は手術の際の視界確保が難しいとされているけど、腹腔鏡の技術力が高い医師は巨大な10センチ以上の筋腫でも手術が可能だという情報に希望をもった、
しかし、先生は首を横に振る。
「emitさんの子宮筋腫は大きいし卵巣嚢腫もあります。当院ではこれほど大きく成長したものは開腹手術になります。申し訳ないですが腹腔鏡はできません。失礼ながら年齢の事もありますし開腹して子宮全摘出を推奨します。開腹するついでに卵巣の脂肪も取れるだけ取っちゃいましょう。その方が一回で済むので一石二鳥ですよ」
ええ~、そんなぁ…と落胆した。
ネットで調べた時は、10センチ以上の筋腫でも腹腔鏡手術できると書いてあった事を伝えると、先生はMRIでとった子宮筋腫の映像を見せ説明してくれた。
なんでも、お臍の少し下あたりならできる可能性はあったが、そのラインを越えてしまっているので無理とのこと。
加えて、私の場合は卵巣嚢腫もあるので余計に手術は難しいと教えてくれた。
あきらめきれない私は聞いてみた。
「当院ではということは、他の病院で今回のMRIの結果を診てもらって、もしやってくれるところがあれば可能性はあるということですか?」
「そうですね」
なるほど、この病院ではやらないけど、他でならやってくれるかもしれないんだ。
私は、以前調べて「いいな」と思っていた腹腔鏡の先生がいる病院をスマホで検索した。
「では、こちらへ紹介状をおねがいできますか?」
「わかりました。もし断られたら戻ってきてください」
「はい。断られたら戻ってきます。その時はまたお世話になります」
先生……。
今断られたらの話しないでよ~と思ったけど、戻れる場所があるってのは心強い。