第1回 否むことのできない自分から助けられている | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

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世界とは、貴方について書かれた書物である。

 今回より、中世キリスト教神学から得たものに基づいたカウンセリング理論の試みを述べていこうと思います。




 第1回目は、「否むことのできない自分から助けられている」です。



 これは、中世キリスト教神学では、聖アンセルムスの神学、すなわち、否むことのできないものに基づくものです。




 否むことのできない自分、それは、あなたの核となっているものです。



 あなたは、自分で自分を否定することができません。



 否定しようとすれば、否定する自分を否定することになる。つまり、自己矛盾に陥ることになります。



 カウンセリングでは、この否むことのできない自分を中心に進めて行きます。



 この否むことのできない自分は、なによりあなたというものを息づかせています。あなたを息づかせているのは、他の誰でもなくあなた自身なのです。



 あなたのからだをつかさどる諸々の力は、この否むことのできないあなたの隅々にまで行き届いている、あなたの血であるものから得ているのです。



 否むことのできない自分は、あなたをさらによりよく生きるように導きます。あなたを導くのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。




 あなたの否むことのできない、心の耳であるものは、あなたの否むことのできない胸であるものから、あなたがよりよく生きることがなにかを示されます。



 また、否むことのできない自分は、身動きの取れない自分から解き放ち、あなたが自分をよりよく生きるように促します。あなたを解き放つのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。




 あなたの否むことのできない、心の脚(足)であるものは、あなたの否むことのできない腕(手)であるものから、あなたがあるところのものに、あなたを在らせると同時に、あなたであるところのものを限りなく生かせるのです。



 そして、否むことのできない自分は、あなたであるものに欠けているあなたを、よりあなたであるもので豊かに満ち足らせます。あなたを満ち足らせるのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。




 あなたの否むことのできない、あなたの肩であるものは、あなたの限りない心の器として、あなたの否むことのできない内腑であるものから、豊かに満ち足らされるのです。



 また、否むことのできない自分は、傷つきやすいあなたを、より堅牢なあなたであるもので守ります。あなたを守るのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。




 あなたの否むことのできない、あなたの背であるものは、あなたの否むことのできない皮膚であるものから、貴くも堅固な、難攻不落な要塞として守られるのです。





 また、否むことのできない自分は、どのようなことがあっても、あなたを決して見捨てず、あなたを支え続けます。あなたを支えるのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。





 あなたの否むことのできない、あなたの肉身であるものは、あなたの否むことのできない骨であるものから、一に支えられているのです。





 最後に、否むことのできない自分は、狭いあなたを押し広げるとともに、世界の数多を通してあなたを隈なく味わうでしょう。あなたを味わうのは、他の誰でもなく、あなた自身なのです。





 あなたの否むことのできない、世界の数多を生き、味わうあなたの目を通して、あなたの否むことのできない舌であるものから、あまねく味わわれるのです。





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 この後、13回+αにわたって、試みのカウンセリング理論を述べさせていただこうと思っています。乞う、ご期待ください。




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