プロメテウス 第49回 庇われる背、強固なる皮膚 | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

世界とは、貴方について書かれた書物である。

 今回のテーマは、「庇われる背と、強固なる皮膚」です。




 貴方の背という場所について考えてみたいと思います。



 貴方の背は、貴方の目が行き届かない場所です。



 貴方の中のウィークポイントといっていいでしょう。



 そこだけ無防備で、絶えず外から損なわれる危険にさらされています。



 ただ、それは、その場所だけが、貴方という存在が外にさらされている場所であるということの裏返しでもある。



 そもそも、なぜ貴方は損なわれたりすることになるのでしょうか。



 貴方に価値があり、魅力的だからこそ、貴方からそれを得よう(奪おう)とするものがいるのです。



 そのように考えるなら、貴方の無防備な場所というのは、貴方の価値が外に向かって開かれている場所だということなのかもしれません。



 無防備な場所こそ、貴方の価値が第三者の目にも表れている場所。



 これはとても意味深いことです。



 それは、地中深くに埋もれている金の中の一部が外に露出しているさまに似ています。


 

 また、言葉を変えるなら、それは、第三者によって見出された、貴方の貴さということができるかもしれない。



 隙のある人は魅力的に映り、まったく隙のない人というのは魅力を感じられなかったりする理由は、案外、こういうことであったりする。



 どこかに欠けているところがあって、人間だと言えるのです。



 互いの欠点が見えているからこそ、互いは助け合うことができたりするのかもしれない。



 互いが自分の欠点を隠しているうちは、互いは本当には助け合うことはできないのではないでしょうか。



 自分の弱さ、欠点を認め、互いの弱さ、欠点を補い合って生きる生き方を、わたしは背の思想と名づけたいと思います。



 共産主義や、協同組合などの思想は、この背の思想からもたらされたものなのです。





 しかし、互いに助け合うことだけでは自身が損なわれることから免れないと感じる貴方は、無防備で傷つきやすい貴方という存在が少しでも傷つけられることに耐えられません。



 そして貴方がもろく、傷つきやすれば傷つきやすいほど、貴方は絶大な守護者を求めるのです。



 貴方が求める絶大な守護者は、傷つきやすい裸の貴方を覆う聖なる衣だということが出来るでしょう。



 貴方が傷つき害われないように、貴方を覆う衣は堅く強固です。



 この強固な衣の例としては、敵から守るために築かれる城壁などが思い浮かべられます。



 内側のものを守るために、それらは堅く強固に築かれなくてはなりません。



 この堅く強固な衣は、貴方の皮膚の延長とみなすことができるでしょう。



 人類はその歩みの中で、自身のからだが傷つけられないように、第二の皮膚である衣をまとうようになったのでした。



 自身を覆うことで守ろうとすることを、わたしは皮膚の思想と呼ぶことにします。



 自身を防備するあらゆる手立ては、この皮膚の思想から出ているのです。



 戦争は、外のものから害われたりはしないかという不安を解消するに行われてきました。



 また、自身の危機を打開するために、略奪という方法が繰り返し、とられてきたのです。



 それらはみな、一時しのぎのものでしかありません。



 なんら根本的解決を生まないからです。





 堅く堅固な皮膚(または衣)は、貴方を守るばかりでなく、貴方を隙のなくすることと引き換えに、互いに対等なものどうしから貴方を引き離します。



 自分を守ることばかりを考えている貴方は、傷つくことを恐れ、その感受性のゆえに、人を信用することができなくなるのです。



 互いに対等なものどうしを生き合うことから、もっとも遠いところに貴方はいます。



 貴方の孤独は、さながら要塞のようです。



 堅牢だが、その内側は冷たく寂しい。



 貴方の顔は青白く、生気を失っています。



 貴方は、自分の弱さ、欠点をさらけ出してもいいのです。



 そのことで、貴方自身がたとえ傷つくことになっても。



 なぜなら、傷つくことで損なわれるものよりも、もっと多くのものを、貴方は得られるからです。





※もっと早くにアップする予定だったのですが、朝の散歩を長めにとってしまったため、それから文章を考えてアップするまで時間がかかってしまいました。この次からはもっと早めにアップするつもりです。