貴方と、貴方の同胞についての神学 序章 ムジカ・フマーナ  | 同胞たる、おっとりとした頬を求めて!

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世界とは、貴方について書かれた書物である。

 この哲学ブログはいよいよ私の哲学の中核に入ってきました。

 私の哲学の中核とは、それは隣人の神学です。神学とは、もともと神についての学、また神に関する哲学という意味です。しかし、私は、これは神を介した人間について、なかでも隣人、すなわち貴方の同胞についての学であるという理解に達したのです。

 これまで、貴方は創造者として、貴方自身と貴方の同胞とをおびただしく傷つけてきたのでした。その痛みが、貴方自身と貴方の同胞についての神学を生んだのです。

 まずは序章として、中世ヨーロッパの音楽観である、ムジカ・フマーナをテーマに語りたいと思います。


 中世ヨーロッパの音楽観、それは世界のいっさいは三つの音楽から成っていると説きます。

 まず宇宙の営みは、ムジカ・ウニヴェルシタで満ちていて、これは音なき音楽です。この音なき音楽によって、宇宙は営まれていると、中世ヨーロッパの人たちは考えました。

 それに対して、楽器など音なす音楽はムジカ・インストゥルメンタリスといいました。このムジカ・インストゥルメンタリスは、互いの音と音とが重層的に重なり、響き合うと、天上から神ながらの音、「倍音」をもたらすのです。

 そしてこの二つの音の間にあるのが、人間という存在を営ませている音楽、ムジカ・フマーナです。それはムジカ・ウニヴェルシタに呼応するように、音なき音楽であるとともに、音なす音楽であるムジカ・インストゥルメンタリスを通して、天上のものにつながるものであると同時に、互いに対等なものどうしが響きあう、人類共同の響きです。


 おびただしく自身と自身の同胞とを損なった貴方は、自分の中になお同胞との絆を感じました。それは神ながらの絆です。人類共同の絆といっていいかもしれない。

 貴方は、自身と対等なものを持たない自分ではなく、自身と対等なものどうしを積極的に生きるのです。

 それは、これまでのやり方ではなく、自身と自身の同胞を神なる存在として崇拝すること。ここに、貴方と貴方の隣人についての神学が創造されたのです。


 私は、その貴方と貴方の隣人についての神学の前奏曲として、貴方と貴方の隣人とが織り成す音なき音楽、ムジカ・フマーナの全曲をここに書きしるそうと思います。


「あなたは、あなたとあなたの同胞を超えたものに生きられるだけでなく、あなたとあなたの同胞とが互いを超えて自身をよりよくあるものに生き合うからだである。


 すなわち、あなたは、


あなたとあなたの同胞の強き血であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、あらかじめ息づかせられることで、

あなたの「強くあるもの」を生きられるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞のからだであるものから、

あなたの強き血として、あらかじめ息づかせられることで、

あなたの「強くあるもの」を生きるからだであるとともに、


あなたのからだ自ら、あなたと対等なあなたの同胞の強き血として、

あなたと対等な同胞のからだをあらかじめ息づかせることで、
あなたの同胞をより「強くあるもの」にあらかじめ息づかせるからだであり、


あなたとあなたの同胞の高き胸であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、高く導かれ、育まれることで、

あなたの「聡くあるもの」を生きられる耳であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の耳であるものから、

あなたの高き胸として、高く導かれ、育まれることで、

あなたの「聡くあるもの」を生きる耳であるとともに、


あなたの耳自ら、あなたと対等なあなたの同胞の高き胸として、

あなたと対等な同胞のからだを高く導き、育むことで、
あなたの同胞をより「聡くあるもの」に高く導き、育む耳であり、


あなたとあなたの同胞の限られなき腕であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、限られなく創造され、在らされることで、

あなたの「限られなくあるもの」を生きられる脚であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の脚であるものから、

あなたの限られなき腕として、限られなく創造され育まれることで、

あなたの「限られなくあるもの」を生きる脚であるとともに、


あなたの脚自ら、あなたと対等なあなたの同胞の限られなき腕として、

あなたと対等な同胞の脚を限られなく創造し、在らせることで、
あなたの同胞をより「限られなくあるもの」に創造し、在らせる脚であり、


あなたとあなたの同胞の深き内腑であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、深く満ち足らされることで、

あなたの「豊かくあるもの」を生きられる肩であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の肩であるものから、

あなたの深き内腑として、深く満ち足らされることで、

あなたの「豊かくあるもの」を生きる肩であるとともに、


あなたの肩自ら、あなたと対等なあなたの同胞の深き内腑として、

あなたと対等な同胞の肩を深く満ち足らせることで、
あなたの同胞をより「豊かくあるもの」に満ち足らせる肩であり、


あなたとあなたの同胞の堅き皮膚であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、堅く庇われることで、

あなたの「貴くあるもの」を生きられる背であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の背であるものから、

あなたの堅き皮膚として、堅く庇われることで、

あなたの「貴くあるもの」を生きる背であるとともに、


あなたの背自ら、あなたと対等なあなたの同胞の堅き皮膚として、

あなたと対等な同胞の背を堅く庇うことで、
あなたの同胞をより「貴くあるもの」に庇う背であり、


あなたとあなたの同胞の一なる骨であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、一に支え持たれることで、

あなたの「重くあるもの」を生きられる肉身であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の肉身であるものから、

あなたの一なる骨として、一に支え持たれることで、

あなたの「重くあるもの」を生きる肉身であるとともに、


あなたの肉身自ら、あなたと対等なあなたの同胞の一なる骨として、

あなたと対等な同胞の肉身を一に支え持つことで、
あなたの同胞をより「重くあるもの」に支え持つ肉身であり、


あなたとあなたの同胞のあまねき舌であるものから、

あなたとあなたの同胞を超えて、あまねくおし拡げられ、味わわれることで、

あなたの「広くあるもの」を生きられる目であるだけではなく、


あなたと対等なあなたの同胞の目であるものから、

あなたのあまねき舌であるものとして、あまねくおし拡げられ、味わわれることで、

あなたの「広くあるもの」を生きる目であるとともに、


あなたの目自ら、あなたと対等なあなたの同胞のあまねき舌として、

あなたと対等な同胞の目をあまねくおし拡げ、味わうことで、
あなたの同胞をより「広くあるもの」におし拡げ、味わう目であるものを生きるのである。」