『聡子のいいところは、何事にも節度をもっていることかな・・・』
楢館がいつかそんなことを言っていた。
聡子はその言葉を思い出す。
それは、褒めている様でも、彼女に対する牽制の様にも思えた。
楢館には家族がある。
本来であれば、楢館は不倫などできるような男ではない。
彼は、見た目よりもずっと小心者で心根の優しい男だからだ。
聡子はそう思っている。
・・・仕掛けたのは私。
『あっ・・・ッあああッ』
後ろから突き上げられ、声を抑えてあえぎながら聡子は このセックスが
現実なのか非現実なのか、その境目がわからなくなってきている。
『八ッ・・・声だすんじゃない』
『う・・・でも・・・・あっ あっ!』
聡子の挑発に、楢館はすぐにのってきた。
制服を脱がすことなくストッキングの一部だけを破り、
聡子を膝の上に座らせた楢館は、前戯もなしにいきなり挿入してきた。
楢館は聡子の叫びに近いあえぎ声を唇で塞ぎ、更に口の中に手を突っ込んで声を出せないようにした。
長い指がのど元まで聡子の口腔を侵す。
上と下を両方塞がれ、聡子は体中が楢館で満たされる感覚に陥る。
更に大胆になった楢館が、ブラウスのリボンを解きだしたので、聡子は少しあわてた。
『ちょっと・・そこまでしたら・・誰か来たら・・・・・』
取り繕えなくなってしまう。
楢館はブラもすぐにはずした。
『ふッ!!あんッ!!!』
急に胸をダイレクトに強く掴まれて、聡子は悶える。
『おとなしくして』
前戯もなかったのに聡子のそこは潤いすぎていて、彼のスーツには飛沫がかかった。
『どうしてそんなに感じるんだ・・・・』
『だって・・・ああアッ アッ!あ・・・すぐいっちゃいそう・・・』
ドアの開け放たれた四階の会議室は、めったに人が来ない場所ではあるし、
少し離れた位置にあるエレベーターが万一開けば音がするのですぐにわかる。
見つかる危険は限りなくゼロに近い場所ではあるが、スリルを味わうには十分だった。
聡子にとっては、楢館が侵すリスクの大きさも、十分だと思えた。
『あ・・・・もう駄目なの・・・駄目なの!あっ・・塞いで・・・アッッ!イ・・クッ・・・ッ!んッ!・・・・・!!』
めちゃくちゃに痙攣する聡子の腰を、楢館の大きな手が強く支えた。
それでも聡子の腰は、その手を嫌がるかのように痙攣し続けていた。
そのとき、ドアの向こうに人影があることに、二人はまったく気づいていなかった。
その人物は、目を離すことなく、その一部始終を見ていたのだった。