はじめは、深く考えていなかった


ただ、とにかく会ってみたい


仲良くなってみたい


どんな人なのか知りたい



そして、もし私が好きになれそうなタイプだったら


とりあえず、軽い感じでお付き合いをしてみる



そのくらいしか、考えてなかった




男の人は、老いも若きもまずは外見重視っていうじゃない?



私、そういう意味では、それなりに自信もあった



ダイエットにも成功してるし


実年齢よりは若く見られるのは当たり前



なぜ、そんな自信満々な事が言えるかって?


それは、

それは、若い頃ちょっとばかしそんな華やかな仕事をしていたから



そう、若かりし頃は、自分の外見をお金に変える事ができた



とにかく私の最初の筋書きでは

あくまでも私が優勢で、

私のシナリオ通りに運んで行くものだと思っていた



ボーイフレンドが欲しかっただけ


ただそれだけ



もう決して若くない


できればあまり、チャランポランじゃなくて


ちゃんと落ち着いた大人の恋愛が出来て


堅物ではなく、年相応に女性をエスコート、リード出来るくらいの

経験があって


そこそこの知性と


しっかりとした経済力



書き出してみると、結構注文が多い



でも、彼は一応全て満たしてる



そりゃ、モテるはずだわ


ツンデレでも、それなりに色々色々あるはずだわ



蓋を開けてみたら


結局、彼が優勢

彼のペース


頭の回転が速くて

策士で巧者でエネルギッシュな彼にすっかり持っていかれてる



こんなに四六時中、彼のことを考えるようになるなんて


全くの想定外



向こうも、とりあえず軽い気持ちで


好奇心に押されて、会いに来たんだと思う


深い事は1ミリも考えず




そんな2人が出会ってしまい


思いの外、互いに気になる存在になり


儚く切れそうな縁が、何とか

何とか、繋がっている



どちらかが、引っ込めば、

片方が追いかけて


何とか、何とか、繋がっている


どうなっていくのだろうか


この先



儚く切れて、そんな事があったことすら遠い忘却の彼方にいってしまうのか


蜘蛛の糸のような縁から、長い時間をかけて太い長縄のようなご縁へと

変化していくのか



誰にも、わからない