私がそうであるように


彼も自分の本心をなかなか見せようとしない


いや、彼の方が数段自分の心を隠す


決して嘘つきではないけれど、

嘘とはギリギリのラインで

後出しジャンケンの駆け引きをする


元々の性格なのか、

後天的にそうなってしまったのか、私にはわからない


酷くいい加減な人に見えたり、

純粋で真面目な律儀な人に見えたり。


要領だけが良いズルい人に見えたり

温かい人情家に見えたり。


まだ私には、どちらが本性なのか分からない。


多分、どちらも彼の姿なのだろう



はっきりしているのは、

私がすごく勝手にストーリーを作って

妄想だけが一人歩きしていたこと。



彼と私はツインレイのよう


彼の深い淋しさと私の深い淋しさ

彼の深い嫉妬と私の深い嫉妬


互いに共鳴し合い

共感し、

いずれなくてはならない2人になって行く


そんな風に漠然とでも感じられたから

私も彼に近づいた



でも、どうやら違ったよう


彼の得意のコントロールにまんまと嵌められて


勝手な妄想だけが繰り返されて


早い話が、彼に騙されたよう。



海千山千の営業マンには気をつけなければならない


AB型の男には気をつけなければならない


彼は危険

彼は怪しい



そんな警鐘わかっていたのに


ブレーキもかけず、深い沼に自らハマっていったのが

悔しい。