今回のアルバム「amour」には、
皆様との10年間の宝石のような思い出と共に、たくさんの「愛」が込められています。




優柔不断のカタマリの私が、初めてのセルフプロデュース。
  


最初は正直不安で自信もなく、何が一番正しいのかわからなくなってしまったり、手探り状態から始まりました。



迷いながらも、有難い助言、素晴らしい音楽に出逢うことで、最後には自分を信じる事。
強く決断する事の大切さを学ぶ事も出来ました。


なによりも、

今回も支えて下り、携わって下さった
全ての皆様に、心から感謝しています。


そして、応援してくださる皆様のおかげで
記念すべき10周年を迎えることが出来ました。

今回も、全ての曲に「ありがとう」の気持ちを込めて演奏しています。



ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございます。




今回選曲した12曲、ひとつひとつに込めた想いを綴りたいと思います。


私が新たに作曲した「flower」

柔らかい日差しの中で凛と咲く花、朝日と共に花びらが開き、生きている喜びをイメージして作りました。 
私はネガティヴに物事を考えてしまいやすく、曲作りを始めると自然と暗い方向になりやすいんです…。
でも、絶対に笑顔でいられるような曲を作りたい!と、明るいメロディーを目指しました。
ヴァイオリニストでもあります、吉田翔平さんがアレンジして下さり、更に華やかな世界へ導いて下さっています。
ミュージシャンおひとりおひとりも贅沢メンバーで、一丸となり、楽しみながら演奏している雰囲気も皆様に伝わると嬉しいです。




「風笛」は、私にとって、ずっと大切な一曲。

今回は父のお弟子さんでもあります、オーボエ奏者の 
最上峰行さんにソロオーボエをお願いしました。
昨年のlive imageで一緒に奏でた音色が忘れられず、絶対に今回のアルバムに参加していただきたい。必ず、また弾きたいと思っていた、初の、オーケストラヴァージョンです。
学生時代、父とは普通の会話も出来なかった師匠と弟子の関係でしたが、時が経つにつれ、私も親になり、初めてみえてきた景色が沢山あります。
厳しく接してくれていた意味。大きな愛を実感することでこの曲を弾くたび、色んな想いで溢れてきます。


 
「My Heart Will Go On」featuring May J. 」

中学生の頃、ドイツの映画館で何度も観たタイタニック。印象的な映画、音楽に感動したのを鮮明に覚えています。
ドラマティックな My Heart Will Go Onを
素晴らしいアーティスト May J.さんと一緒に奏でる事が出来、本当に嬉しかったです。
May J.さんの魂溢れる歌声に、ただただ圧倒され
刺激を受け、お互いの息遣いを感じ合える集中力の高いレコーディングを経験させていただきました。
羽毛田丈史さんに、私が長年大好きな ジョシュ・グローバン の「Mi Mancherai」のようなイメージで…とお伝えし、ヴァイオリンも一緒に歌える素敵な世界を作り上げて下さいました。



「Grain of the light」

デビュー前から本当にお世話になっていて、
私にとって父のような心強い存在の 鳥山雄司さん。
鳥山さんの生み出す世界観が学生の頃から大好きで、今回新曲を書いていただく際、ほぼお任せでお願いしました。 
これまでの演奏法とは異なった弾き方を考え、引き出していただき、最初はコントロールが難しかったのですが
何度も試行錯誤しながら弾くことで右腕も馴染み、ふわりと包み込む優しさと、強さの表現方法を学ぶことが出来ました。


「You Raise Me Up」

音楽番組やライヴでも長年お世話になっている
武部聡志さん。
以前、ミュージックフェアで、この曲を森山良子さんと共演させていただいた時に武部さんのアレンジで演奏し、ソロでも弾きたい気持ちが更に強まり、今回お願いさせていただきました。
歌詞の想いを、音にのせて。
ヴァイオリンで歌える壮大な一曲となりました。




「やさしさで溢れるように」

10周年を記念してJ-POPの名曲を大募集するキャンペーン「#宮本笑里にカバーしてほしいJPOP」を実施し、沢山の投稿、投票を本当にありがとうございました。
より一層ファンの皆様との繋がりを感じ、一緒に作れる喜びを感じられた一曲です。
ejiさんとはmiwaさんのライヴで出逢ったご縁。優しく内に秘めた熱い演奏、アレンジで支えて下さり、アドリブ部分も心地よく弾くことが出来ました。歌詞が無いぶん、表現する事に悩みましたが、皆さんを想いながら奏でています。是非、注目して聴いていただきたいです。



「HA・RE

以前、オリジナル曲 SOLA をアレンジして下さった TATOOさんに元気いっぱいのワクワクする新曲を作っていただきました。
一度聴いたら忘れられない、口ずさんでしまうメロディー。ポップなのに、何処か切ない。
魅力溢れた曲に出逢えたことに、心から感謝しています。
冒頭部分は軽く鼻歌を歌うように。
次第に青空が広がる描写も感じられ、明るい気持ちにさせてくれます。



「シェルブールの雨傘」

この映画のラストシーンは、何度みても、ぎゅっと胸が締め付けられます。映画なのにセリフが全て音楽という世界も引き込まれます。
最初の出逢いからラストまでの二人のやりとりが感じられるような、そんな切なくも美しい世界を、船山基紀さんのアレンジによって味わう事が出来ます。
実は以前、コンサートで船山さんとオーケストラヴァージョンで演奏させていただき、その時からアルバムに必ず収録したいと願っていた一曲でもありました。



「マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」
ピアノとヴァイオリンだけのクラシカルな空間は、加藤昌則さんとのデュエットです。
いつも楽しいトークと演奏で盛り上げて下さる加藤さん。程よい緊張感と安心感で、お互いの音を噛み締めながら演奏することが出来ました。
ピアノとヴァイオリンだけの編成も大好きなのですが、レコーディングとなると、ほんの少しの繊細な音に気を使わなければならないのでドキドキしました。


「ヴィヴァルディ:冬 featuring 沖仁」

フラメンコギタリスト 沖仁さんと初めてお会いしたのは数年前の音楽番組。
数秒間2人だけで奏でたアドリブの瞬間がずっと忘れられず、沖さんのパッション溢れる演奏でヴィヴァルディの四季を一緒に弾いてみたい!と思ったのがキッカケでした。ついに今回その願いが叶い、幸せでいっぱいです。
ヴァイオリンのアレンジは原曲を忠実に。
沖さんの美しく情熱的なVivaldi 薫る世界は、心を掴んで離しません。私も、このアルバムの中で一番アグレッシブに奏でた曲。
今まで聴いたことのない、新しいヴィヴァルディの四季です。



「辿り着く場所」

中島ノブユキさんの情熱を秘めたピアノが、とても好きです。この度初めて一緒にレコーディングさせていただきました。
前向きになれる、希望を感じられる曲をテーマに…とお願いさせていただきました。
ふんわり包み込んで繋がりを感じるメロディー、聴きながらみえてくる繊細な、でも濃厚な空気感、それぞれの一音一音が心を支えてくれる。
優しいけれど芯は強く。そんな音色を心がけて演奏しています。前へ進める勇気を与えてくれる一曲です。



「虹色の夢へ」

大島ミチルさんが今回新たに作って下さった一曲。
数年ぶりに再会できたミチルさん。
相変わらずチャーミングで、音楽からも常に、心にあついものを届けて下さいます。
日々生活していると幸せな瞬間は楽しかったり、悩んで苦しいこと、、本当に様々な事がありますが、きっと、全てが意味のある大切な経験ですよね。
この曲を聴いて「明日も頑張ろう」と思ってもらえる
「応援歌」をつくりましょう!と話し合い、生まれました。
音楽の大きな力。音楽は心にエネルギーを与えてくれるのだと、改めて感じさせてくれます。






とても色濃いものとなったアルバム「amour」
これらの収録曲を中心に

 7月22日の10周年コンサートも
一夜限りの音楽、この日だけの瞬間、空間を、
バンドの皆様、May J.さん、沖仁さん、
お客様と一緒に音楽を共有出来ることを心待ちにしています…!!


どうか皆様の心の奥深くに、溢れるほどの愛が
届きますように。


2017.4.26       宮本笑里