嵐の曲の端々から「作家さんってすごいな!」と感じるものが常々あって、2016年に「嵐の楽曲を構成する作家さん研究」という記事をアップしました。

この記事、嬉しいことに10年前にも関わらずいまだに他界隈からのアクセスもあり、私のように作り手に興味を持つ方がいるんだなあと。嵐が2026年5月31日をもって活動終了するにあたり、私目線で感じてきた作家さんのお仕事をきちんと最新版に整理し直し、この先も閲覧できるようにしておくのが私なりの「たたみ方」かなと思いました。
作詞家作曲家・編曲家の3部構成です。編曲家はどこからがお仕事なのかが外からは分かりにくく、たぶん曲によって大きく違うので具体的なことを言うのが難しいのですが、ディレクターともコミュニケーションをとりながら、音選びだったり、全体の完成度や表現をより豊かにするという意味では魔法使いのようなすごいお仕事だと思います。自分で作詞作曲して編曲する場合は、より「らしさ」が光るものになっているんじゃないかな~とも思ったり。ぜひ、作家さんを通して音楽の幅を広げていってもらえたらうれしいです。

 

嵐曲の編曲家TOP5

 

 

注)「別名義」の扱いについて

基本的にご本人や所属会社がプロフィール等で明記していること以外は別名義扱いとしています。ネット上に存在する同一人物の特定の仕方もあまり倫理的ではなく、どのような理由であれ本人や所属会社が意図しないものである可能性が高いと現在は考えています。この特集は、普段とは違う切り口で見たときに見えてくる楽しさだったり、お名前をキーにして音楽の世界を広げていくことがコンセプトなので、今は必要以上にこだわらないスタンスです。

  石塚知生

46曲。多すぎて語りつくせないのですが、編曲ってすごい!と思ったエピソードを一つ。

ONLY LOVEのデモを聞いたことがあるんです。これがなかなか。わー!デモでも十分カッコいい!!!と思えるものでした。backstreet boysが歌っててもおかしくないような感じで、コーラスもガンガン入っていて。

テンポはさほど変わらず、R&Bによくある終始ずっと軽めのビートを刻む感じ。ただただ愛する人との時間が平坦に静かに続いていく、みたいな。

ただ、これをそのままJ-POPとするにはサラッとしすぎているので嵐版ではどうなったかというと、

四つ打ちビートを強めにしたり、2番の「愛のシルシこの~」で緩急をつけたり、間奏でアクセントダンスができるようにしたりしていました。J-POP編曲のお手本を見ているようで感激しました。
メロディは原曲をほぼなぞってるんですが、「朝も昼も~」の大野さんのフェイクや、ラスサビのフェイクは原曲になく。仮歌さんが入れたのかもわかりませんが、原曲よりぐっと情熱的になってて、声も楽器やなあと改めて感じられて、めちゃ面白かったです。編曲家さんって魔法使いでは…!!

 

ARASHI x 石塚知生

 

Other Works

  ha-j

2人目の魔法使い。みなさんおなじみha-j師匠!私は嵐が休止するまでロック出身だと思っていて「なんでこんなに幅広くアレンジできる!?!?」ってずっと思ってたんですが、コロナ期によく聴いていた「musicsensor」でクラシック畑でいらっしゃると知って、もーーー納得すぎました。こうやってずらっと並べると「豊かなストリングス使い」の印象は気のせいではなかったなぁと。音色やメロディで何を表現しているかが想像できるというか、きちんとイメージして、理解して作ってる感じがしました。

Beautiful daysのストリングスとTroublemakerのストリングスでは全然違うじゃないですか。こういうとこのさじ加減?のコミュニケーションもきっと長けてらっしゃるんじゃないかと、お話を聞きながら感じるところがありました。本当に魔法使い。

 

(あと『いざッ、Now』ツアーのDVDに収録されてる翔さんソロ「Anti Anti」で「え?嵐ィ?や、興味ないすね」のあの憎たらしい声は99.9%ha-jさんだということも書き残しておこう)

 

ARASHI x ha-j

 

Other Works

 

  吉岡たく

3人目の魔法使いはなかなかエッジが効いてます。私は「COOL&SOUL」に度肝を抜かれた人。伊藤由奈さんの「fragile」のイントロと同じトラックな理由も「musicsensor」でのお話で納得(でも言わない)。「Sync」「Fly」「Unknown」「Circle」とか、この魅力的な、キャッチーな音色はどこから…?っていう曲が多い。どの音を誰が作ったかなんて本当のところは分からないけどさ、”唯一無二”感を増幅させてるのよねえ。

私はB面「なんて」、カップリング「なんて」と言われてた時代を生きてきたので、実験的な、攻めてる感じの曲をシングルのカップリングに必ず入れる心意気が大好きで、通常盤のシングルを買うのが楽しみで楽しみで仕方なかったです。リリース情報に「吉岡たく」の文字があるだけで期待度マシマシでした。

 

(あと『いざッ、Now』ツアーのDVDに入ってる翔さんソロの「Anti Anti」で「ジャニーズでHIPHOPっつうのもねぇ?」も99.9%吉岡たくさんということは書き残しておこう)

 

ARASHI x 吉岡たく

 

Other Works

 

  佐々木博史

4人目の魔法使い。編曲で初めてお名前が出てきたときに検索したとき、これが出てきてたまげた。

元々コナミでBEMANIシリーズ(アーケードゲーム)の曲を作っていたらしく。プログレってすげぇ!!って笑ったのこれが初めてかも。これ攻略してるプレイヤーはいたんだろうかってくらい手首つりそうなオクターブ攻撃。そんなわけで嵐曲で最速の「morning light」とか「誰も知らない」とか、作曲者のデモにどれだけ佐々木要素が加わったのかこっそりでいいから教えてほしい。「Daylight」のイントロは最初からピアノオクターブだったのかもすごく興味ある。ストリングスの使い方もha-jさんとまた違う感じがあって、プログレ魂がどっかにあるような細かさ、緻密さを感じます。


 

Other Works

 

  CHOKKAKU

私の中でCHOKKAKUさんはSMAPのイメージが先にあったんですが、改めてみるとSMAP以降の数多くのグループの編曲に携わっていたんだなあとWorksのプレイリストを見て知りました。洋楽要素をアイドルポップに混ぜ込む構造になっていたなんて当時小3の私にはわかるはずもなく。大人になってから嵐をきっかけに作曲や編曲に興味を持つ中で、やっぱりSMAPの大ヒットや70年代のブラスロックブームは避けて通れないなあと思いました。最近読んだ記事の中でCHOKKAKUさんのインタビュー記事があって、SMAP初期の頃はいろんな実験をさせてもらっていたそうです。(otonano.jp 2024年9月号 【Part2】CHOKKAKUが語る90年代シティポップ より)

こういう実験で培った経験が嵐の初期にもたくさん注ぎ込まれてるのかも?と思いました。

「ハダシの未来」はポップでロックな顔してベースラインをバリトンサックスでバリバリ言わせてるのがめちゃカッコいい!

「Deepな冒険」や「恋はブレッキー」など、もっと勉強したら分かるルーツとかあるのかもなあと思うなどしました。

 

ARASHI x CHOKKAKU

 

CHOKKAKU Works


 

  岩田雅之

これまでご紹介した方々と少し違うのは、作編曲としてのクレジットも約半分を占めている点です。(愛と勇気とチェリーパイ/アレルギー/君は少しも悪くない/パレット/Overture(One)/Thank you for my days/Carry on/Life goes on)

元々ヴォーカリストでもあり、コーラスアレンジやコーラス参加もされていて、このままアカペラアレンジに使えそうなくらいのコーラスワークなんですよね。シンプル3声だと思ったらうっすら音をぶつけてたりと結構厚めに作ってある印象です。私が勝手に唱えている「嵐はbackstreet boysやN’syncを参照しているのでは?説」と重なる部分が岩田さんのコーラスアレンジの中にもあるんですよねぇ。その流れでWorksのプレイリストを見ていると、あれまゴスペラーズともお仕事してるわ!という発見もあったり。

 

ARASHI x 岩田雅之

 

Other Works

 

話それますけど、参照してるのか知らんけどなんか似てるねっていうプレイリスト作ってます。

なんか楽しいので聞いて遊んでやってください。「君は少しも悪くない」もリストに入ってて、聴き比べるとうっすらと「お?」と感じるかも。

 

DATA

嵐の楽曲数

424曲(嵐公式プレイリスト「ARASHI Official Discography」より)

(いつのまにかしれっと全曲リストができてたので貼っておきますね)

*「COOL&SOUL」と「COOL&SOUL for DOME07」は合わせて1カウント(計423曲)

*Turning Upなど作詞作曲編曲の区別がないものはそれぞれに関与しているとみなしてカウント

*Rebornシリーズは別作品扱い(他の作家が加わり嵐の公式として再構成しているため)

 

嵐曲の全編曲家一覧

編曲 編曲数
石塚知生 46
ha-j 45
吉岡たく 44
佐々木博史 37
CHOKKAKU 17
岩田雅之 17
metropolitan digital clique 14
Erik Lidbom 10
A.K.Janeway 8
安部潤 8
二宮和也 8
北川吟 5
BJ Khan 7
鈴木雅也 7
宮野幸子 6
大坪直樹 6
Andreas Carlsson 5
NAOKI-T 5
pieni tonttu 5
Trevor Ingram 5
youwhich 5
長岡成貢 5
AKIRA 4
Hisashi Nawata 4
iiiSAK 4
100+ 3
A-bee 3
Jeremy Hammond 3
Josef Melin 3
R.P.P. 3
Shinnosuke 3
Shusui 3
Slice of Life 3
ZAKI 3
マシコタツロウ 3
前口渉 3
馬飼野康二 3
Captain B 2
Ellen Shipley 2
GK 2
HIKARI 2
ISB 2
Kevin Charge 2
Rami Yacoub 2
Shigeo 2
sk-etch 2
Stefan Aberg 2
Stephan Elfgren 2
Takuya Harada 2
youth case 2
韻シスト 2
加藤裕介 2
河合英嗣 2
久保田真悟 2
高橋哲也 2
笹本安詞 2
宗像仁志 2
船山基紀 2
大島こうすけ 2
辻陽 2
田中直 2
櫻井翔 2
100db 1
2H 1
Afterhrs 1
Atsushi Shimada 1
Axel Bellinder 1
BIGSHOOTER BOYS 1
BloodPop 1
Bruno Mars 1
Charles Hodgkinson 1
Chris Janey 1
Chris Meyer 1
COUNT FORCE 1
D'Mile 1
Dr.Hardcastle 1
eltvo 1
Emma Rohan 1
Face 2 fAKE 1
Fox.i.e 1
Fredrik Hult 1
Geek Boy Al Swettenham 1
Grant Michaels 1
Gregory Hein 1
Hans Johnson 1
HARAJUKU KIDZ 1
Henrik Nordenback 1
h-wonder 1
HYDRANT 1
HYPER SLIPPER 1
James Bird 1
Jin Choi 1
John Ryan 1
Jon Hallgren 1
Julian Bunetta 1
Justin Reinstein 1
K Project 0
Kirk Zavieh 1
Konstantin Scherer 1
kz 1
Larry Hochman 1
Martin Ankelius 1
Michael Duke 1
mugen 1
Nai-T 1
Octobar 1
Ola Larsson 1
Olly Goodman 1
Peter Nord 1
QQ 1
Sagat Guirey 1
Sam Hollander 1
Samuel Waermo 1
SHUN 1
SHUYA 1
Simon Janlöv 1
SIX 1
Soma Genda 1
Stefan Engblom 1
sts 1
TAKAROT 1
Tasuku Maeda(前田佑) 1
Tatsuya K. 1
The仙台セピア 1
Tom Norris 1
U-TA 1
Vincent Stein 1
オオヤギヒロオ 1
安田信二 1
海と山本くん 1
関淳二郎 1
栗原暁 1
原一博 1
荒木真樹彦 1
今井了介 1
佐原康太 1
三上吉直 1
三留一純 1
山下康介 1
山下達郎 1
市川喜康 1
若草恵 1
庄野賢一 1
上野浩司 1
菅野よう子 1
大野宏明 1
渡辺和紀 1
湯浅篤 1
藤間仁 1
布袋寅泰 1
米津玄師 1
林部直樹 1