アルバム「Beautiful World」ラストの曲。
JALのCM曲として採用。
この曲を語るには、1曲前まで遡らないといけない。…そう、「果てない空」。
ニノ主演のドラマ「フリーター、家を買う。」は、若者の雇用や家族のうつ病など社会が抱えている問題を多分に含んだドラマだった。それでも当時はまだ、ファンにとって「ドラマ主題歌の一つ」に過ぎなかった、と私は思う。
2011年3月11日。東日本大震災。
震災から1週間、テレビには悲しい映像ばかりが流れた。多くの人から「日常」が消えて、誰もが無力感に苛まれ、精神的にも限界に近づいていた。
テレビで通常放送が再開し始めたのが、ちょうど1週間を過ぎた頃。
2011年3月19日、「嵐にしやがれ」のレギュラー放送で、嵐は一部予定を変更して「果てない空」を歌うことを選んだ。
モノクロのスーツ、モノクロのライティング。
そこに、輝きなどない。
真剣にみえた。
でも、不安そうにもみえた。
みんなと同じように。
「いつだって何度でもやり直そう」
それぞれの過酷な経験を抱き止めながら、
「果てない空」は、生きていく決意を与えてくれる曲になった。
でも…
頑張りすぎる人にとっては、それが重荷になってしまうこともある。
または、まだ頑張れないと思うかもしれない。
傷に直接触れることなく、しかしそういう人たちも忘れず、抱えた重い荷物を不意にふっと軽くしてくれるのは「遠くまで」だと思う。
「大丈夫なフリして強がる素振り可笑しくて」
え、強がってる?そう見える?バレてる?
なんて、どこか見透かされているような。
「頑張らなきゃ」という想いを否定するわけじゃない。
悲しみにも寄り添ってくれている。
一緒に泣くことだけが寄り添うのではなくて、その気持ちを察した上で笑うことの価値を示してくれている。
もうこのときから嵐はそうだったと思う。
震災復興ラジオとかもやってね。
最後に何か爪痕を残して帰るのではなく、必ず明るく笑顔で終わる。
それが何となく彼らの流儀なのかな。
いつだって彼らは、いろんな境遇にある人の背中を押してくれる。
彼らが示したい姿勢が、この曲に詰まってると私は思う。
We are the one.
あれ、どっかで聞いたことある。
収録:アルバム「Beautiful World」
作詞:小川貴史
作曲:Erik Lidbom, Dyce Taylor
編曲:佐々木博史
ソロパート:相葉・松本・二宮・大野・櫻井
サクラップ:なし
サトフェイク:あり