Mr.FUNKさんの次に書きたいのは「暁」です。個人的なツボがありまして。
■イントロ
さとしは扇子かなにかで顔を隠してスモークの中、登場。
リズムが入るところから優雅に舞う。という妄想など序の口。
さとしに和モノの舞台をやって欲しいという欲求、禁断症状を誘発する。
ストリングスのチープさは、なんとなく演歌に通ずるものあり。
■歌い方
もともと癖の少ない歌い方のさとし先生ですが、やはりいくつか特徴があります。
例えば、「な」の発音は二種類あって、
1つ目は、アクセントタイプ。na-a「なぁ」という感じで、1音で当てるのではなくその前に半音に近い音から入ってしゃくりを入れている。(アクセント音であることが多い)強さは時と場合によって違いますが。
例えば、「儚き影の中で」の最初の「な」はそうですね。
もう一つは、ソフトランディングタイプ。「na」「な」で、しゃくりが入らず、鼻にかけて音を一発で当ててソフトランディングする方法。例えば、「あなたのもとへ」「はなれてく」の「な」とか。
twoの「車窓に重なる」の「な」や、君が笑えるようにの「素敵な 素敵な」の「な」。
今回の「暁」は、普通だったらアクセント音になりそうな音でも、なるべくソフトランディングする方に寄せることで、流線を描くように歌っています。
ソフトランディングといえば、さとし先生のダンスもそんな感じがしますよね。
ダンスのことはよく分かりませんが、おそらく爪先をうまく使っているんだろうと思います。
(マラソンでは、爪先着地のほうが無駄が少なく、体力を温存でき、速く走れるということが実証されているんだそうです。)
先ほど説明したような、歌声のソフトランディングも本当に上手。
ピッチが正確なことはもちろんのこと、喉の筋肉が柔らかいのかなぁ。
インナーマッスルが鍛えられてるのは言わずもがな。
言葉の発音も、なるべく滑らかに意識しているように感じます。
心にもあらで~の「あらで」は特に雅。少しだけ鼻にかけている感じ。
あと、わざと「遅らせている」ところが何か所か。にくい。にくすぎ。
「ときをこえて」の「きを」
「あなたのもとへ」の「なたのもと」
「ちぎれぐも」の「ぐも」
「むねのなか」の「なか」
「よはのつきかな」の「つきかな」
■メロディーのリズム
サビ部分、メロディーのリズム。これ、相当深いと思います。
8拍(2小節)を3分割にしているのが分かりますか?
いたずらに-ふき|ぬけて-みなもに
太字が表拍で、中央の|は小節の区切りを表しています。
言葉は5-5-4音に分割されていて、その5音の中では3拍、4音の中では2拍入っていて、2小節の中では、3-3-2のリズムになっているのです。
しかも完全ではなくて、最後の4音は、4/4拍子を維持するために帳尻を合わせる役割。
実は、三拍子は日本の音楽の歴史上あまり(ほとんど?)見られなかったと言われています。
たしかに、ズンチャッチャ ズンチャッチャと聴くだけで、西洋音楽のワルツを思い浮かべます。
その他、朝鮮音楽も三拍子です。アリランを聴くとよく分かります。ただ、日本には浸透しませんでした。
しかしながら、和歌を詠むというところにおいては、音数律といって、日本で言うと五七五七七などのようなリズムが好まれました。
こういったリズムがなぜ好まれたかは、いまだ解明されていないのですが、『日本語のリズム—四拍子文化論—(ちくま学芸文庫へ4-3)』(別宮貞徳/筑摩書房)という本では、4拍子に合わせやすいリズムだったという説があります。
こちらは、まだ手元にないので、追々読んでみようと思いますが、
現に、「暁」で心にも~の歌がしっかり4拍子に乗っているのも確か。
四拍子に乗りやすいのが五七調なのだとしたら、
「暁」が五音を多用するのもなんとなーーーく分かるような。
(なぜ七音じゃないのかは分からぬ)
■完全四度下のハモリ
今回のハモリはシンプル。Hit the floorの時はさとしが4~5人いましたが(笑)
今回のハモリは、最もシンプルな完全3度ではなくて、完全4度のハモリなのです。
完全3度とは、ドとミを同時に押したときの2つの音の関係のこと。2人組で歌うアーティストはこれを基本にしていろいろとアレンジされている印象です。
一方、完全4度とは、ドとファの関係。このハモリ、私は、神秘的な雰囲気を醸し出す響きと解釈していて、暁でも、雅でもあり神秘的でもある雰囲気を感じられるのは、このコーラスのおかげでもあるのかなーと思いました。ただずっとそうしているのではなくて、
「みなもに」と「おもいで」の部分はオクターブ下を歌っているのも、にっくいなーと思いました。
■ダイナミックなベースの動き
「てをのばしても ただ~」のところのベースの動き、ダイナミックじゃありません?
ドミ♭ファミ♭ファソシ♭ソとオクターブで音が上がってきて、「溢れるだけ」でドミ♭ファソドと、ベースとボーカルがオクターブ違いで同じ音になるという!マーベラス!!たまらん!!!
■残念なところ
ただ、私にも思うところはあるのですよ。アウトロでやたら主張してくる、シ♭→ドにスライドして鳴ってる楽器の連発具合がなんともコピペしましたって感じで…気になったらもう戻れない。2小節セット×4はしつこい。空間を美とする日本の雰囲気にはそぐわないように感じる。
2小節やったら2小節休んで、また2小節いれて休むとか、もうちょっと違うフレーズを入れるとか、そうすればちょうどよかっただろうに…。
百人一首の解釈については、まだうなされてるところなので、またの機会に。
大鏡、栄花物語なる書物を漁っても知りたいことが出てこず、小右記なる書物に触れることさえできず。
超訳百人一首なるアニメがあって、その通りなら、多少筋は通りそうなのだが、結構内容を盛っている(あくまでフィクションとして描いている)気がしてならず(違ったら申し訳ないですが)、せめてそれが確認できないと書けそうになく…(苦笑)
国文学者気取りという点だけはとても満喫しております。(笑)
■イントロ
さとしは扇子かなにかで顔を隠してスモークの中、登場。
リズムが入るところから優雅に舞う。という妄想など序の口。
さとしに和モノの舞台をやって欲しいという欲求、禁断症状を誘発する。
ストリングスのチープさは、なんとなく演歌に通ずるものあり。
■歌い方
もともと癖の少ない歌い方のさとし先生ですが、やはりいくつか特徴があります。
例えば、「な」の発音は二種類あって、
1つ目は、アクセントタイプ。na-a「なぁ」という感じで、1音で当てるのではなくその前に半音に近い音から入ってしゃくりを入れている。(アクセント音であることが多い)強さは時と場合によって違いますが。
例えば、「儚き影の中で」の最初の「な」はそうですね。
もう一つは、ソフトランディングタイプ。「na」「な」で、しゃくりが入らず、鼻にかけて音を一発で当ててソフトランディングする方法。例えば、「あなたのもとへ」「はなれてく」の「な」とか。
twoの「車窓に重なる」の「な」や、君が笑えるようにの「素敵な 素敵な」の「な」。
今回の「暁」は、普通だったらアクセント音になりそうな音でも、なるべくソフトランディングする方に寄せることで、流線を描くように歌っています。
ソフトランディングといえば、さとし先生のダンスもそんな感じがしますよね。
ダンスのことはよく分かりませんが、おそらく爪先をうまく使っているんだろうと思います。
(マラソンでは、爪先着地のほうが無駄が少なく、体力を温存でき、速く走れるということが実証されているんだそうです。)
先ほど説明したような、歌声のソフトランディングも本当に上手。
ピッチが正確なことはもちろんのこと、喉の筋肉が柔らかいのかなぁ。
インナーマッスルが鍛えられてるのは言わずもがな。
言葉の発音も、なるべく滑らかに意識しているように感じます。
心にもあらで~の「あらで」は特に雅。少しだけ鼻にかけている感じ。
あと、わざと「遅らせている」ところが何か所か。にくい。にくすぎ。
「ときをこえて」の「きを」
「あなたのもとへ」の「なたのもと」
「ちぎれぐも」の「ぐも」
「むねのなか」の「なか」
「よはのつきかな」の「つきかな」
■メロディーのリズム
サビ部分、メロディーのリズム。これ、相当深いと思います。
8拍(2小節)を3分割にしているのが分かりますか?
いたずらに-ふき|ぬけて-みなもに
太字が表拍で、中央の|は小節の区切りを表しています。
言葉は5-5-4音に分割されていて、その5音の中では3拍、4音の中では2拍入っていて、2小節の中では、3-3-2のリズムになっているのです。
しかも完全ではなくて、最後の4音は、4/4拍子を維持するために帳尻を合わせる役割。
実は、三拍子は日本の音楽の歴史上あまり(ほとんど?)見られなかったと言われています。
たしかに、ズンチャッチャ ズンチャッチャと聴くだけで、西洋音楽のワルツを思い浮かべます。
その他、朝鮮音楽も三拍子です。アリランを聴くとよく分かります。ただ、日本には浸透しませんでした。
しかしながら、和歌を詠むというところにおいては、音数律といって、日本で言うと五七五七七などのようなリズムが好まれました。
こういったリズムがなぜ好まれたかは、いまだ解明されていないのですが、『日本語のリズム—四拍子文化論—(ちくま学芸文庫へ4-3)』(別宮貞徳/筑摩書房)という本では、4拍子に合わせやすいリズムだったという説があります。
こちらは、まだ手元にないので、追々読んでみようと思いますが、
現に、「暁」で心にも~の歌がしっかり4拍子に乗っているのも確か。
四拍子に乗りやすいのが五七調なのだとしたら、
「暁」が五音を多用するのもなんとなーーーく分かるような。
(なぜ七音じゃないのかは分からぬ)
■完全四度下のハモリ
今回のハモリはシンプル。Hit the floorの時はさとしが4~5人いましたが(笑)
今回のハモリは、最もシンプルな完全3度ではなくて、完全4度のハモリなのです。
完全3度とは、ドとミを同時に押したときの2つの音の関係のこと。2人組で歌うアーティストはこれを基本にしていろいろとアレンジされている印象です。
一方、完全4度とは、ドとファの関係。このハモリ、私は、神秘的な雰囲気を醸し出す響きと解釈していて、暁でも、雅でもあり神秘的でもある雰囲気を感じられるのは、このコーラスのおかげでもあるのかなーと思いました。ただずっとそうしているのではなくて、
「みなもに」と「おもいで」の部分はオクターブ下を歌っているのも、にっくいなーと思いました。
■ダイナミックなベースの動き
「てをのばしても ただ~」のところのベースの動き、ダイナミックじゃありません?
ドミ♭ファミ♭ファソシ♭ソとオクターブで音が上がってきて、「溢れるだけ」でドミ♭ファソドと、ベースとボーカルがオクターブ違いで同じ音になるという!マーベラス!!たまらん!!!
■残念なところ
ただ、私にも思うところはあるのですよ。アウトロでやたら主張してくる、シ♭→ドにスライドして鳴ってる楽器の連発具合がなんともコピペしましたって感じで…気になったらもう戻れない。2小節セット×4はしつこい。空間を美とする日本の雰囲気にはそぐわないように感じる。
2小節やったら2小節休んで、また2小節いれて休むとか、もうちょっと違うフレーズを入れるとか、そうすればちょうどよかっただろうに…。
百人一首の解釈については、まだうなされてるところなので、またの機会に。
大鏡、栄花物語なる書物を漁っても知りたいことが出てこず、小右記なる書物に触れることさえできず。
超訳百人一首なるアニメがあって、その通りなら、多少筋は通りそうなのだが、結構内容を盛っている(あくまでフィクションとして描いている)気がしてならず(違ったら申し訳ないですが)、せめてそれが確認できないと書けそうになく…(苦笑)
国文学者気取りという点だけはとても満喫しております。(笑)