crazy for you~届けこの想い~ -3ページ目

crazy for you~届けこの想い~

「あたしは、西野エミ☆になる!!」もう恋愛なんてあきらめていた32歳に好きな人ができました

駅の改札を抜けると、さすがここも終電間近とあって、

人がいない。


出口に向かって歩いて行くと、1人のおじさんが、こちらへ向かって歩いてきた。


「どこ行くの?電車あるんか?」


こわい・・・。

あたしは無視して出口へ急ぐ。

駅のすぐ近くのコンビニで待とうと思ったが、

さっきのおじさんが来たらいやだから、

駅を出て少し歩いたコンビニに向かった。

すると、やんちゃそうな若い男性3人が、

コンビニの駐車場にいて、

なにか落としたのか探している様子。

1人が道の遠くに目をやり、


「やっべえ、警察や、おい行くぞ」


と逃げるようにコンビニの裏の方へ。


も~ここも怖い・・・


あたしはにっぴーに電話する。


「どこで待てばいい?」


「どこかわかりやすいところまで出てこい、俺その辺わからへんから」


「うーん・・・じゃあ、国道沿いにマックあるからそこね」


国道までけっこう距離あるけど、ひたすら歩いた。

止まって待つよりはいい。


マックに入り、コーヒーを頼んで座ると、すぐ電話が鳴った。


「おい!お前マックって逆車線やねーか?」


「そうだけど・・・」


信号があるから入れるし、こんな夜中で車も少なくて出ることも容易だし、

ほかに明るくてわかりやすい場所がないからここを指定した。


「逆車線なんてなんでいうんや、はよ出てこんか、ボケ」


機嫌が悪い・・・。

反対車線でハザード出して停車している彼の元へ、

あたしはコーヒーを持って急いだ。


彼は他の件でも怒りだした。


ほら。

だから来なくていいって言ったんだ。

マックから家までの道のり、ずっと彼の説教を聞き流していた。


「なんで何も言わない!眠いんか、酔ってるんか知らんけど!

わざわざ来てやってるのに、なんでそんなんなんや!」


家について、あたしはどうしたらいいかわからず、


「とりあえず家に・・・」


「帰るでええわ」


もううちには来ないと言っていたから・・・

置いていた着替えもこないだ持って帰ったもんね。


だけど、彼は帰らずにまだ説教している。


言うだけ言って気が済んだのか、


「ほんで、せっかく来たのに帰れって言うんか?」


「あがっていって」


「しゃーねーなぁ」


たぶん彼は、あたしがそう言うのを待っていたんだ。


部屋に入っても、お風呂に入ることも許されず、


「ほんでやったんか?」


「やってない・・・」


「なんでや。やるって言うたやんか。

なんで約束守れない?」


と、今度はそっちの事情聴取。

本当は彼は、他の男に抱かれたあたしに何かするという、

へんたい技にトライしたかったから。


「今、そいつにメールしろ」


「しないよ」


「お前に断る権利あるんか!」


あたしはケータイを手にもち、

メールをうつふりをする。


ずっと、お風呂に入ることも、

もちろん寝ることも許されず、

朝起きる時間になった。


「じゃあ、俺行くわ、風呂入りな」


「見送ってから入る」


「そんなんええわ」


「なんで?」


「じゃあ、お風呂出るまで待ってるから入りな」


その言葉にだまされてお風呂に入ると、

彼は、さっきあたしがマックで買ったコーヒーの紙コップに、

おしっこをして、それをお風呂まで持って来て飲めと言った。


必死で抵抗すると、彼は「じゃあな」と玄関を出て行った。


なんで・・・お風呂出るまで待ってるっていったくせに・・・


紙コップにおしっこ入れてるのをあたしがみたら

警戒するからあたしをお風呂に入らすためにだました。

あたしには理解できない彼のへんたいっぷりを連続で見せられて、

あたしは、それは愛がないからじゃないかと、悲しいばかりだった。


お風呂を出て電話したか、かかってきたか。


「なんで?お風呂出るまで待つって言ったから入ったのに」


「現場いかなあかんもんw 見送りなんて別にええしw」


彼は全然ふつう。


あたしはなんかやりきれない思いからか、

一睡もしていないからか、すごく憂鬱な気持ちで会社へ向かった。



そして、また次の電話ではへんたいモード。


メールの返事きたんか?

次はいつ会うんや?

必ずやってこいよ?


ってね。


そうなると、不信感をなかなかぬぐえないあたしは、

すぐに彼を怒らすことができる。


夜中に電話で起こされて、

彼の妄想に付き合わされ、

彼の地雷を踏む。


「お前、それ言うな!もうええわ」


電話を切られる。


ああ・・・


だめだね、あたし。


だけど毎晩彼に電話で起こされて寝不足続きで、

眠くて仕方ない。


30分ほど経ったかな。

またかかってくる。


「なんでさっきあんなこと言うたん?あかんて言うてあったやろ?」


「うん・・・ごめんなさい」


一応機嫌をなおしてくれて、

話の続きをしたけれど、また地雷を踏むあたし。


もう彼の怒りはおさまらず、爆発。


もう、メンドクサイ・・・


そう思ったのは事実。

あたしはもう彼の将来のパートナーじゃなく、

ただのオモチャであることも気付いてる。


「俺はお前になにもしてもらってないから」


今までの、あたしがだめなりにも彼の仕事を手伝ったこと、

彼が隣で寝ていてもあたしは夜中までかかって代わりに仕事したことも、

毎晩片道1時間の距離を高速使って晩ご飯と翌日のお弁当届けたことも、

彼のために使った時間、お金、けずった睡眠も、

全部努力と認めないと・・・


「あっそ、なにも認めてくれないんだ?」


「なにを認めろって言うんや?あんなもん」


あたしは泣きながら訴えた。



「あたしはがんばったつもり、にっぴーにはなんでもないことでも、

今までのあたしならぜったいにしないことだよ?

なにか返してほしいなんて思ってないけど、

そんな言われ方されたくない、もうこれ以上無理」


「あっそ、残念やわ」


「あたしのほうが残念やわ」


「ほんじゃあもうええんやな?」


「もういいよ!」


「ええんやな?」


「いいよ」


「残念やわ」


「・・・」


「じゃあな」


「じゃあね」


電話を切った。


終わった。


がんばったつもりなのに、まったく認めてもらえないなら、

もういい。

終わり。


結婚してくれなくても、付き合ってくれなくても、

それでも一緒にいたかった。


でも、こんなに怒らせてばかりで、

努力も認めてもらえなくて、

もう一緒にいる意味なんてない。


あーーこれで彼への気持ちから解放される。

涙は少し出たけど、さみしかったけど、

でもそれよりラクになりたかった。

これでラクになれるんだ~~って思った。