久しぶりの更新ですみません・・・
そしていきなり堅い話です。

環太平洋連携協定(TPP)に関しては以前にも書きました。
27日朝のフジテレビ「とくダネ!」がTPPを取り上げていて、そこに反TPP論客で名を馳せている通産官僚で京都大学に出向中の中野剛志氏が出演していました。
是非見て下さい、YOUTUBEなどを探すと見る事が出来ると思います。
簡単に言うと[米国は自由貿易がしたいんじゃなくて、自国に都合の良い貿易がしたいんだ!]という事です。
そしてTVのミスリードや悪意が良くわかりますよ。
もうどこの国の企業なんですかね?

で、米国と韓国との自由貿易協定(米韓FTA)です。
早いと来年1月ぐらいには締結されそうで、韓国与党は強行採決をするらしいです。
日本の新聞などは、『日韓の輸出環境の差は広がる一方。政府はこれを重く受け止め、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を決断すべき』『無視できぬライバル先行』『米韓同盟深化・米の韓国重視』とかなんやら言ってますが、何を言ってんだか。
極端な言い方をしたら、韓国は米国の経済植民地になったようなもんだ。


問題だと考える内容を上げると、

“韓国の投資家は、投資の保護に関して、米国における米国投資家よりも実体的に有利な権利を与えられない”(序文)
米韓FTAの序文には、米大統領に通商交渉の権限を与える「貿易促進権限法」の一文(米通商法2102条b項3号)がそのまま採用されており、米国法をただ移植している。

“相手国政府の協定違反等により、投資家に損失が発生した場合、相手国裁判所に提訴するか、または国際仲裁機関への仲裁請求ができる”(第11章)

 あらゆる分野をFTAの適用対象と規定。事前に付属目録に記載した例外事項(非合致措置)以外は、是正の対象となるネガティブ方式を採用(第12章)
 米国企業に対し、韓国企業と対等の待遇(内国民待遇)を約束。さらに、韓国が将来、別の国との間でより有利な条件となる協定を結べば、米国企業がその恩恵を受けられる「最恵国待遇」も認めています。
 また、韓国市場への米国企業の進出を制限する措置を設けることを禁止。サービスを提供する事業者数の制限や、企業の規模や形態による制限を設けることはできなくなります。さらに、韓国内に事務所を設置することや代表者が韓国に居住することを、義務付けることもできません。

“「非合致措置」は持続的に、速やかに更新・改定する。改定においては、直前に存在した措置の合致性を下げてはならない”(第12章)
 適用対象から除外された「非合致措置」は、留保事項として維持できますが、「速やかに」解消するよう定められています。また、一度自由化すれば、新たに制限を設けることや、さらに厳しくすることはできません。
 例えば、韓国にはテレビで放映される映画の25%を国産映画とする「放送クオーター」という制度がありますが、米韓FTAにより、この割合をさらに引き上げることはできなくなります。しかも、韓国政府は、米韓FTAの発効時には、その割合を20%に引き下げると発表しました。また、電気や水道など公営企業の外国人持分制限についても同様で、緩和することしかできなくなります。

”韓国はコメの自由化は阻止したけど、あとは全部自由化、コメの自由化はこれからもアメリカは要求していく”
”農協・漁協の共済、郵便局の保険サービスは3年以内に解体、アメリカの保険会社が入れるようになった”
”自動車の排ガス規制、安全基準、税制、これらはアメリカに有利になるように変更させられる事になった”
”知的財産権制度もアメリカの要求丸飲み”
”医療については韓国政府が決定した薬の価格について、アメリカの製薬会社が安すぎるといった不服がある場合には韓国政府に見直しをする事が出来る”
”放送法の外資規制は緩和になった”
すなわち韓国は自分たちの健康・環境・安全を自分たちで決められなくなった・・


韓国もメキシコやカナダと同じ状態になるんですかね?
内政干渉どころか不平等条約もいいとこ、韓国野党がこんなものを締結したらもはや主権国家ではない!と言うのも当然です、こうなるとアメリカの経済植民地になってしまいます・・・
みなさんも日本史で習ったと思いますが、幕末に黒船が来日し砲艦外交をもって結んだ、日米修好通商条約と同じような、『関税自主権がない』『アメリカ側への片務的最恵国待遇』『裁判権や法律をアメリカに任せる・治外法権』などなどがてんこ盛りです。そしてアメリカはこの時代から基本的には何も変わっていないということです。
自由主義という仮面を被った帝国主義丸出しの国なんですね、今さら言う事でもないですけどw


なぜこのような流れになるのか?
李明博大統領が言った『もう失うものは何もない』が全てを物語ってるんじゃないでしょうか。
ウォン安誘導して輸出拡大に邁進していた矢先に、欧州金融不安(ギリシア)の影響などでスタグフレーションを起こしてしまった。(1%づつ拡大するだけで原材料すら買えなくなり2年後にはデフォルトしてしまうレベル)。
ギリシアがやばい!と言われていたんですが、それよりもっと韓国の方がヤバかった・・・
破綻確実と言ってよい次元まできていたからです。
日・中両国との通貨スワップ協定拡大してから・・・のこの米韓FTAしかもう無いんでしょうね。
米韓FTAでの韓国側にもメリットはと言うと、輸出依存率70%を超す国なのでさほど国際競争力のない工業製品の輸出を伸ばすしか手がない。どうにかしてアメリカ市場に安値製品を買ってもらうしかない。
慢性的外貨不足により経済破綻も間近に迫っていて既に国家としては死に体だから、主権を失っても属国になり下がろうとも背に腹はかえられないという事だろう。


しかし日本はまだ失うものが沢山ある。
相対的な結果ではあるが円高であるのでまだまだ打つ手もやることもある。
だからTPPなんかに巻き込まれてはダメだ、交渉のテーブルにすら付いてはダメ。
繰り返しになるけど、農業VS工業なんかではない。これは24項目のうちの2でしかなく、ただの目くらまし。
だって本当の事を見せたら日本にTPPに参加するメリットなんて無い事なんて誰でも解るから。
本丸は金融・保険・医療だ、ここをアメリカは食いつぶしたいんだよ。
共済やら郵貯やらを潰されると国債の受け皿がなくなる、医療や食糧を抑えられたら日本国民は支配下に置かれる。
そんな危険を冒してまでTPPに参加する必要がある?どんな国益を得れるの?
本当に飼い犬や思考停止してる人が多くて嫌になる・・


本当にアメリカもなりふり構わずになってきている。
来年には欧州の銀行は優先債6550億ユーロ(約70兆円)が満期を迎えるため、債務危機によって市場からの資金調達が難しい状態になる。
そのあたりの不安からか、欧州の銀行優先債の国債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は過去最大の3・6%となった。(2008年9月のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻の影響が強かった時期の最大でも3・25%)
そのEUと米国は、世界貿易の約31%、世界のGDPの53%以上の貿易投資関係を持っている。
アメリカにも多大な影響があるからでしょうね。


マヤ暦の予言を信じるわけではないけど、2012年はどうなるんでしょうか?
東アジア・中東イスラム諸国・欧州・米、どこも生き残りをかけて熾烈な争いをしていく事になるんでしょうかね?