『愛しい人と遠く離れ』 
 Lungi dal caro bene

 

 

ジョイントリサイタルで1曲目に歌う歌曲です。

ピアノ伴奏の美しさ、清らかで流れるような旋律、大好きな歌です。

歌詞では、「私は生きていけない」「苦しみの海の中にいる」と言っていますが、

音楽は明るくて爽やかなんですよね。


「恋することって、辛いけど、大好きな人のこと考えるとドキドキしちゃうわ。

今度はいつお目にかかれるかしら…」という感じでしょうか。

 

イタリアのオペラ作曲家、サルティ作曲のオペラ『ジュリオ・サビーニ』

の中で歌われるアリアです。      

                   

1781年に作曲されました。18世紀後半で、最も有名だったオペラで、

当時イタリアやフランスなどの6~7か国でよく上演されていたそうです。

 

18世紀後半の音楽は「古典派時代」と呼ばれ、

この頃音楽は大きく変化していきます。

大きく変化していく社会的な出来事はというと、

「フランス革命」と「産業革命」ですね。

「バロック」から「古典派」へ変化している真っただ中。

この曲は「バロック」特有の堅苦しさがなく、ロマンティックな旋律が生まれていますね。

 

Lungi dal caro bene,      Vivere non poss'io;
愛しい人から遠く離れて   私は生きていけない

Sono in un mar di pene;
私は苦しみの海の中にいる

Lungi dal caro bene, Sento, sento mancarmi'l cor.
いとしい人から遠く離れて 私は気も遠くなるような思いだ

Un dolce estremo sonno,
もし彼女を見ることができないなら

Se lei mirar non ponno, Mi chiuda, mi chiuda i lumi ancor.
甘い最後の眠りが   私の目をも閉ざしてくれるがいい

 

スミ・ジョーさんの演奏です。