宮沢りえ演じる双葉さん、なんとも素敵な女性でした。
湯を沸かすほどの熱い愛に溢れた女性。普通だったら愛するいわれのない……どころか、憎しみを向けても不思議ではない立場の相手も、立場なんか軽々と飛び越えて愛してしまう、愛する才能にあふれた女性。
そして、自分自身もまっすぐに愛を求めることのできる強さ。自分を捨てた母に「会いたい」と言い、拒まれても「遠くから一目見るだけでいい」と粘り、そのくせ見たら見たで、自分の知らない新しい家庭で娘や孫と楽しげに過ごす母の姿に、切なさに耐えかねて窓に物を投げてしまう素直さ。
それでも、「自分は愛されない存在なんだ」とか、「どうせ私なんか」というふうにいじけてしまわない強靭で健全な自分自身を愛する愛。私には決定的に欠けているものなので、本当にまぶしい双葉さんでした。
でも、とてつもなく魅力的でありながら、不安にも陥るし、腹も立てるし、ちょっとエキセントリックで、決して「聖人」には描かれていない双葉さんは、現実離れした人には思えません。私の周りにも、双葉さん的な人、いますもん。
憎むか愛するか、岐路に立ったらとりあえず愛する双葉さんを、心に刻んでおきたいと思いました。
映画のラストが衝撃的でいろいろ話題になっていましたが、うーん、あれはどうなんでしょう。ああする必要があったのかどうかは別として、強烈な印象を残して忘れられない結末ですよね。ということは、やっぱり、映画としては必要な最後だったのかなー。ものわかりのいい映画になりすぎないために?
是が非はおいておいて、ああいうことって可能なの? とも考えてみたんですが、うん、できるのかも。死亡診断書が出て、お葬式が済んで、霊柩車が出て行ったら、そのあと本当に火葬場に運ばれたかどうかを確認する人なんていないですもんね? 埋葬許可証は入手できないからお墓には入れられないけど、お骨をずっと家に置いておくなら(そしてそれはいかにも双葉さんが望みそうなことだし)、可能なのかもしれないですね。
ま、とにかく。そんなことは枝葉に思えてしまうくらい、双葉さん、素敵でした^^