有名なミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌に

「夢破れて」という歌がある。

(原題 I DREAMED A DREAM)

 

 

 

 

2009年にイギリスのオーディション番組で

スーザンボイルが歌って世に出た事で

さらに有名になった曲。

 

 

 

 

 レミゼラブルが日本でミュージカルになった時

 岩谷時子さんが訳詞をつけたのが「夢破れて」

 

 

 登場人物であるコゼットの母親ファンティーヌの

悲しい叫びの曲。かつては私も夢を見ていたのと。

 

 

 

ミュージカルでファンティーヌを演じた

岩崎宏美さんも紅白でこの曲を歌った。(1987年)

 

 

 

 その後も多くの女優さんがファンティーヌを演じられた。

 

 

この曲に関しては華原朋美さんの歌が印象深い。

トップアイドルだった彼女の人生と

ダブるからかもしれない。

 

 

 

 

 

2022、2023年の韓国で話題をさらった

ネットフリックスドラマに

「ザ・グローリー」というのがある。

 

 

 

 いじめで人生を壊され

その後の人生全てを復讐にだけ捧げた女と、

それをとりまく人々の物語だ。

 

 

 

その登場人物に「イモ二ム」と呼ばれた中年女性がいた。

 

 

 

 

ヒロインがその女性を「イモ二ム」と呼んだ。

「イモ」というのは、韓国では母方の叔母を指すが、

少し年上の女性を呼ぶときの呼称になる。

その言葉の中には、どこか暖かさを感じる。

実際の肉親ではないけれど、そこに近い親近感。

 

 

 

 

 

日本で少し年上の男性に「おにーちゃん」と

呼びかける時に感じるわずかな親しみと似ている。

 

 

 

 

「ザ・グローリー」のイモ二ムは

夫から酷い家庭内暴力を受けていた。

紫に腫れあがった頬で何度も画面に出た。

 

 

 

 

ドラマではこのイモ二ムは

自分の人生を変えていこうと

ヒロインと手を繋ぐ。

 

 

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先日、私は仕事の流れで

まさにこの「イモ二ム」みたいな

韓国人女性と出会った。

 

 

 

 

 

 

現在家庭内暴力を受けているのではなく

若い頃、夫と別れた理由が

それだったという話を直接聞いた。

 

 

 

それを泣きながら語る彼女にとっては

その暴力は何十年も前の話ではなく

まるで昨日起った事のようだった。

 

 

 

 

 

言葉が生々しくて

私の目にも当時の腫れあがった頬と

切れた唇がみえた気がした。

 

 

 

 

 

その話を聞いた翌日、

私にすとんとやってきた歌が

この「夢破れて」だった。

(スーザンボイルの)

 

 

 

 

 岩谷時子さんの訳詞の一部を紹介させて頂くと

 (複数のパターンがあるようです)

 

 

 夢を見ていたわ

 望み高く生きて

 愛がすべてだと

 

 中略

 

 夢は悪夢に

 狼の牙が望み引き裂き

 夢食いちぎり

 

 中略

 

 待ち続けてるわ

 あの人の帰りを

 

 中略

 

 夢見た人生

 今地獄に落ちて

 二度と私には夢はかえらない

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惨めな人生、昔は夢もあった輝いていた。

だけどすべてが去っていった。

自分の人生にはもうなんの希望もない

そんな歌。

 

 

 

 

唯一の望みは娘、

私はもう消えかかった蝋燭

でも娘だけはこんな地獄じゃなく、

幸せでいてほしい、お願いだから。

 

 

 

「ザ・グローリー」のイモ二ムもそうだった。

そして先日出会った女性も同じことを言った。

 

 

 

 

 

レ・ミゼラブル劇中のファンティーヌは、

娘の為に豊かだった髪の毛を売り歯を売った。

美しかった容貌を失くし、さらに娼婦になる。

そして、、最後は病気で死ぬ。

娘の幸せだけを唯一の希望にして。

 

 

 

アン・ハサウェイの「I DREAMED A DREAM」 

 

 

 

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はい

最初に戻ります~!パンっ!

(お芝居のカチンコの音だと思ってください爆  笑

戻るよ戻るよ~

自分に戻る。

 

 

 

 

 

 

過去にどんな悲しい

悲惨な事があったとしても

今は今!

 

 

 

 

 

心の中で悲しい出来事とのお別れが終わったら

今に心を向けたい。

この歌を通して自分が感じる事は何なのだろう。

視点を一旦自分に戻す。

 

 

 

 

 

前述の通り、この曲をさらに有名にしたのは

当時47歳だったスーザンボイル

再貼り付け。

 

 この歌は希望のない惨めな女の歌だけど、

 

 

 

スーザンボイルは

この曲で夢を掴んだ。

 

 

この動画のスーザンボイルの歌唱からは

 

 希望しか感じない

 

 

 命の灯が消えそうな歌なのに。

 

 

たくましく新たにドアを開く音が聞こえる。

 

 

 

 

 審査員も言ってる。

彼女の年齢風貌から彼女が

こんな素晴らしい歌を歌うなんて

だれも期待してなかった。

 

 

 

 

 

「〇〇みたいになりたい」

に失笑があがった。

ステージにも観客席にも

彼女の味方は一人もいなかった。

 

 

 

 

 

でも彼女は自分自身を信じてた。

 だから彼女の声は会場に充ちて

 観客の心を揺らした。

 

 歌さえも引き上げるような歌唱。

 

 

 泥水の中に落ち立ち上がれない

 惨めな娼婦の歌が

 天上の歌のように輝かしく聞こえる。

 

 

 

  歌を生まれかわらせる程の歌唱を披露した

  ステージを期に

 スーザンボイルの人生は変わった。

 

 

 

  生まれ変わり

 再誕生リバース

 

 

 

 歌も産みかえ

 自らも再誕生させた。

 

 

 

 

 

 今まではダメだったけど

 もしかして次は、、大丈夫かもしれない。

 ありかもしれない。

 

 

 

 そこに「ダメだ!」って

 一番大きな声で言うのは

 大抵は自分。

 

 

 

 

 

 今日は夏至。

 今この歌が来たのは何故だろう。

 特にこのスーザンボイル歌唱の

 「夢破れて」が来てるのは何故だろう。

 

 

 

 惨めも、、極まれば、、反転する?

 

 

 

 「夢破れて」は「惨め極まる」歌。

 もうボロボロで何もない、、

 行くところまでいった歌。

 失くすものもない。

 売るものもない。

 極まった歌。

 

 

 

 

 そういう人って、

 迷いが無いから心さえ決めると

 エネルギーまっすぐに使える。

 

 

 

 私はドラマの「イモ二ム」みたいな

  韓国人女性に言いました。

 

 

 

 「そんな大変な事があったのに、、

 今あなたがここに元気でいらっしゃることが

 本当に本当に素晴らしいことだと思います」と。

 

 

 

 

 そしてこれは自分の心の中で言った。

 それほど親しくないその人にいうには

 その人が聞きづらいかもって思ったから。

 

 

 

 「人生これからですね!」

 

  そういいたい。

 自分にもそう言いたい。

 

 

 

 

 本日夏至。

 北半球では陽極まる日。

 南半球では陰極まる日。

 

 

 そんな日にやってきた歌でした。

 

 

 

 

 

 ありがとうございました照れ