その男性は、もうすぐ結婚しようと思っていた女性がいました。

 

しかし、その女性は重い病気を患い

 

病気が見つかってからわずか半年で亡くなってしまいました。

 

とても仲の良い様子を、ご近所でもたくさん目撃されていたようです。

 

悲しさに耐えられなかったのか、男性も後を追うように…

 

一人暮らしということもあり、発見された時は酷い状態でした。

 

お盆休みだったこともあり、発見が遅れてしまい、夏の暑さもあって

 

凄い異臭の中発見されてしまったようです。

 

特殊清掃が入り、綺麗にはしてもらえました。

 

しかし、畳について体液は全く取れる事がなかったので交換となりました。

 

しばらくは事故物件として告知して募集しておりました。

 

事故物件は基本的に皆さん住みたがりません。

 

半年以上が過ぎ、告知なしでの募集が始まりました。

 

立地が良かったこともあり、すぐに内覧の申し込みがありました。

 

久々に訪れたそのお部屋は、とても綺麗にはなっていたのですが…

 

私も気分もあるのか、なんとなくどんよりしてるんですね。

 

日当たり良好なはずなのに、なぜか暗い…。

 

そして、とある若い女性が契約となりました。

 

引越当日、女性から電話が来ました。

 

「ここの物件、水道管が古いですか?」と仰るのです。

 

その物件は、実は少し前に水道管の取り換えがあったばかりで、

 

古いはずはありませんでした。

 

「つい最近取り換えたばかりですよ。」と伝えると、

 

「洗面所から出るお水が赤いので、サビなのかな?って思ったんです。」と仰いました。

 

彼女は事故物件だと知らないので、何も思わないですが

 

事故物件だと知っている私は血の気が引きました。

 

お水をしばらく流してもらう事で、解決はいたしました。

 

そして数日後、また女性から電話がありました。

 

今度は騒音の苦情でした。

 

隣に住んでいる男性の声がうるさいと。

 

しかし、隣に住んでいるのはお高齢の女性、そう、おばあちゃんなのです。

 

上下のどこかのお部屋なのかな?と思いつつも、

 

やっぱり怖い気持ちは私の中でありました。

 

騒音の問題については、全室にご案内を送る事で納得していただけました。

 

そして事件は起きました。

 

まさかの警察から電話があったのです…!

 

女性が洗面所で歯を磨いていると、鏡の後ろを男性が横切ったというのです。

 

不法侵入の疑いありとのことで、警察に連絡がいったわけですが

 

男性は部屋の中にはいなかったのです。

 

そして、鍵交換をちゃんと行ったかの確認のため、

 

我が不動産屋に電話がありました。

 

男性が横切った…男性が横切った…

 

もしかして…

 

前に住んでいた……?

 

なんて思ってしまいますよね。

 

ひとまずその女性は、入居してから2か月間

 

トラブルというトラブルに見舞われ

 

結局お引越しされてしまいました。