もうすぐ、あの子の誕生日。
生まれてきた時の感動と喜びは、
偽物ではなく本当の気持ち。
だけど私は、あなたを捨てた。
若い頃、それを認めたくなくて
捨てたんじゃない!
取られたの!
何度反抗したことか。
若気の至り……
そんな言葉では済まされない。
あの頃と今の涙は意味が違う。
悪いことをしている自覚もなく、
否を認めず人のせいにして
まるで被害者のように泣き叫んだ涙
今となっては
自分の罪の重さに耐えきれず
自業自得に苦しみながらも
子を思えばその何倍、なん十倍も
私以上に苦しんだと思うと
声も出せないほど、息苦しく流れ落ちる涙
図々しくも、
どんな子に、どんな大人に育ったのか、
知りたくて知りたくて……
3、4年前に、まさかのフルネームで検索かけたら
すぐに分かった。人目で分かってしまった。
ごめんなさい。申し訳ない。
私だけこっそり見つけて、申し訳ない。
冬が近づくと、別れの朝を思い出し
夏になると、いくつになったか?思い出し
かれこれ23年の月日が流れ、
今度で26歳になるあの子。
声が聞きたい……
図々しくも、声が聞きたくてたまらない。