米国開催は、3期目を迎えた加藤コミッショナーの悲願の1つだった。「年に1回、ファンが関心を持ってくれることを続けたい。今までは大リーグが一方的に来ているが、米国の中のコンテンツとして、日本の野球は評価が高いと聞いている。試合をやったら、案外人気が出るんじゃないか」。今年3月のマリナーズ・アスレチックス戦を含め、メジャー開幕戦は過去4度日本で行われ成功を収めている。同等の盛り上がりになる可能性を指摘した。
輸出されるのは、巨人・阪神の“黄金カード”が有力視される。人気、歴史ともに日本を代表し、プロ野球創成期からしのぎを削るライバル同士。コミッショナーは「開幕戦、公式戦となると、個々の球団の問題。私がタッチできない世界」と球団名に触れるのは避けたが、記念事業にふさわしいカードなのは間違いない。以前にコミッショナーは「西海岸なんか、日系人も在留邦人も多いわけですから」と話しており、開催地はロサンゼルスなどが候補になるとみられる。
海外での公式戦開催となれば、02年に台湾で行われたダイエー・オリックス戦以来。巨人の桃井球団社長はこの日、「新聞報道などでも、米国で開幕戦をやろうという話があるのは聞いています」と話すにとどめたが、今後、実現へ向けた動きは本格化しそうだ。