松井の花道がヤンキースから用意される。球団関係者は「松井の功績は誰もが認めるところだ。ファンも、もう一度松井のピンストライプ姿を見たいと思っているはずだ」と語り、ワンデー・コントラクトの検討に入ることを明かした。
トレードなど移籍が多い大リーグでは、必ずしも活躍した球団と最終球団が一致しない。しかし、限られた選手だけに許されるのが「1日契約」だ。最近では10年3月にノマー・ガルシアパーラがレッドソックスの選手として引退するために、年俸1ドルで古巣と1日マイナー契約を結んだ。そこで行われたユニホームを着ての入団会見は、ファンへの引退セレモニーとなり、熱烈なファンに迎えられた。松井にも同様の演出がなされることになる。
松井は09年のワールドシリーズでMVPを獲得し、ヒーローインタビューでヤ軍残留を熱望しながら、球団は再契約しなかった。だから、敵チームとしてヤンキースタジアムで試合をする時は毎回、総立ちで迎えられた。それだけファンに愛されている。背番号55を付けていたマーティンは今オフ、パイレーツへ移籍しており、1日だけ背番号55を与えることに支障はない。
具体的な日程は今後検討されるが、来年2月のキャンプ中にフロリダ州タンパで行われる可能性が高い。同関係者は「シーズン中もニューヨークに来てほしい」と話し、来季中に始球式を打診することも示唆した。
ヤ軍は、首脳陣らの声明を発表する異例の対応を行った。ハル・スタインブレナー共同オーナーは「ヤンキースの精神を表現してくれた」と称え、ブライアン・キャッシュマンGMは「みんなが自然に引かれたのは彼の性格を表したもの。真のプロ」と称賛した。
引退会見の場所も一時はヤンキースタジアムで行うことも検討されたという。「ヤンキース」での引退は、松井にとって最高の勲章となる。