巨人のOB会総会が2日、都内のホテルで行われ、OBの江川卓氏(57)=野球評論家=がドラフト1位指名された東海大の菅野智之投手(23)に金言を送った。1年間のブランクを経てプロ入りした“浪人”の先輩からのアドバイスは「焦るな」だった。
「1年間、休んでいるのだから、焦らないのが大事。2、3年かけて戻すくらいの意識で、無理しないのが1番です。ゆっくり時間をかける意識だけ持ってもらえたら」
信念を貫き、2年越しで巨人入りを決めた金の卵。同じような境遇から135勝を挙げた、元祖怪物の言葉には説得力がある。江川氏は1年目に9勝、2年目には16勝で最多勝のタイトルを獲得しているが「(2、3年はベストではない感覚が)ありました」という。
ここ1年間、菅野は東海大で紅白戦やシート打撃に登板するなど実戦感覚の維持に努めてきたが、江川氏は「(実戦とは)全然違う」と説明する。というのも、江川氏も入団までの1年間、アメリカに留学し、打撃投手やアラスカのサマーリーグで登板してきた経験があるからだ。「体は動かしていましたが、やはり違う」とは体験者だからこその言葉。期待の後輩を思うゆえの言葉だ。
「元の姿に回復するまでは、焦るとバランスを崩してしまいますから」
必ずや大輪を咲かせると信じるからこそ、まずはスロー調整でのサビ落としを勧めた。