【凱旋門賞】オルフェーヴルの首差2着をスミヨン反省「簡単に先頭に立ってしまった」 | スポーツは筋書きのないドラマ

スポーツは筋書きのないドラマ

ブログの説明を入力します。

7日にロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞に出走したオルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、直線でいったん3馬身ほど抜け出したものの、ゴール前でフランスの4歳牝馬ソレミアに首差かわされて2着に敗れた。手綱を執ったスミヨンは、強敵がいなかったため、早めに先頭に立ち、気を抜いてしまったと回顧。飛び抜けた力を持っているが故の敗戦であったことが、浮き彫りとなった。
絶対的な強さが、皮肉にも勝利という結果を奪ったのかもしれない。レース後の記者会見。スミヨンは、オルフェーヴルとの戦いを、こう振り返った。「ほかに、もっと強い馬がいなかったので、簡単に先頭に立ってしまった。そのぶん、最後まで頑張れなかったのかもしれない」
大外へ持ち出された最後の直線。極上の瞬発力は、世界一を決める舞台でも確かな輝きを放った。スミヨンが手綱を動かすと、手応えに余裕を残したまま、内の馬群をあっと言う間にのみ込んだ。さらに、内へ切れ込みながらも、後続を引き離していった。
しかし、思わぬ落とし穴が待っていた。完全な独走状態が、オルフェーヴルから集中力を奪ったのだ。ラスト1ハロン過ぎあたりで脚いろが徐々に鈍り、追いかけてくるソレミアとの差は、みるみる縮まった。後続に7馬身もの差をつけながら、首差の2着。「デインドリームやナサニエルのような馬がいれば、別のレースになっていた」とスミヨンは強敵不在を敗因に挙げた。直前で続々と有力馬が回避。オルフェには追い風かと思われたが、現実は逆だった。
日本調教馬として初めての凱旋門賞制覇は、果たせなかった。しかしスミヨンは最大級の賛辞を贈った。「僕が今まで乗ってきた中で、最高の馬だと思う。来年も凱旋門賞に来てもらいたい」。過去に、自身の手綱でこのレースを制したダラカニ(03年)、ザルカヴァ(08年)を超える評価こそ、最も強いレースをした証しと言っていい。