無名の19歳がエース番号を受け継ぐ。ソフトバンクは23日、育成選手の千賀滉大投手(19)を支配下選手登録した。
年俸は270万円から440万円へ、そして背番号も128から21に大出世だ。ヤフードームで会見した右腕は「(背番号を)聞いた時は“まじか”という感じでした。3桁だった時の気持ちを忘れず、この番号に恥じない投手になりたい」と喜びを口にした。
ホークスの21と言えば、南海時代には通算187勝の杉浦忠氏(故人)、ダイエー時代には工藤公康氏が背負い、昨季まではオリオールズに移籍した和田が9年間つけていた。空き番号は、ホールトン(巨人)がつけていた54のほか13、69などもあったが、石渡茂編成・育成部長は「彼なら21番をプレッシャーに感じることなく、やれると思った」と説明した。
愛知の県立校・蒲郡出身で、高校時代は無名。大学進学を考えていたが、ドラフト直前に運動具店関係者の情報で練習を見学した永山勝スカウト部長の目に留まった。「肩関節の柔らかさがあった。あの年のドラフトでは一番無名かもしれない」と同部長は振り返る。
ウエスタン・リーグでは今季4試合で1勝1敗、防御率1・50。球速は入団時から10キロ増し、最速153キロを誇る。24日の同オリックス戦(ヤフードーム)では1軍首脳陣の前で先発予定。高山投手コーチは「投手の枚数も少なくなるからね」と、28日のロッテ戦(QVCマリン)からの9連戦で先発させる可能性を示唆した。
「JAPANのユニホームを着てみたい」と将来の目標を語った千賀。日本一軍団にまた1人、若き才能が加わる。