前WBC世界フェザー級王者・長谷川穂積(真正)はノンタイトル10回戦でフェリペ・カルロス・フェリックス(メキシコ)にTKO勝ちし、再起戦を飾った。
試合終了のゴングが打ち鳴らされると安どの表情を浮かべた。
「ムチャクチャ硬かった。練習したことの5%しか出せなかった。でも勝てただけよかった」
昨年4月、ジョニー・ゴンザレスに4回TKO負けして以来約1年ぶりのリング。序盤から左ボディー、左ストレートを的確にヒットさせ、7回はコーナーに追い詰めて連打でダウンを奪うと再開後のラッシュでTKO勝ちした。それでも「自分が想像したボクシングとはほど遠かった」と自己採点は辛かった。
この試合を現役続行か否かを判断する“査定マッチ”と位置づけたが「終わったばかりで今は分からない。もうちょっと考えたい」と態度を保留した。それでも久しぶりの実戦で闘争心に火がついたのは確かだった。
「ノンタイトル戦の雰囲気を楽しめた。デビュー戦みたい。今回出せなかった分を次は出せるんじゃないかと思ってしまう」。笑顔で振り返れる試合が現役最後とはならないはずだ。