支度部屋では「何も考えず、けいこ場だと思って無心に攻めた。本当によかった」と、初勝利の喜びをかみしめた。どうしても勝てなかった白鵬の壁。07年秋場所3日目の初対決からここまで20連敗。21番目で6年越しの夢がかなった。もう1人の故郷の先輩である朝青龍にも08年春場所から7連敗しており、横綱戦は27連敗を喫していた。そんな長いトンネルもようやく克服した。
今場所は初日から4連勝。だが大関との3連戦は日馬富士に勝ったものの稀勢の里、把瑠都に屈した。前々日は新小結の若荒雄にも敗れ3敗となった。「勝ちを意識して相撲が崩れた」と、気持ちを切り替え連勝で、勝ち越しにも王手をかけた。
昨年秋場所の大関とり初挑戦は9勝6敗に終わり、琴奨菊、稀勢の里にも先を越された。上を目指すためにも、この日の横綱戦初勝利は大きな励みになる。目標は先場所の10勝に続く2けた勝利。再アタックへ向けて「一番一番、集中してやりたい」と、残る5日間を見据えた。