【日本シリーズ】男泣き日本一!秋山監督、亡き母にV報告 | スポーツは筋書きのないドラマ

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屋根をも突き破るような歓声がヤフードームを包み込む。弾けるような笑顔のナインと抱き合い、握手を交わす秋山監督の目から、思わず熱い涙がこぼれ落ちた。

寡黙で照れ屋の指揮官が、これまで人前で見せたことのない歓喜の涙。第6戦まで、ともに敵地で勝ち星をあげる究極の“外弁慶シリーズ”に最終戦で終止符。地元福岡で初白星をあげ、チームを勝利に導いた背番号81が、8度宙を舞った。

「選手が最後まで頑張ってくれました。福岡のファンの前で日本一。大変うれしく思います」

東日本大震災に始まった2011年は秋山監督にも特別な年だった。8月10日に母・ミスエさん(享年85)が他界。通夜だけで告別式は参列しなかった。闘病中の母に「頑張るけん」と声をかけ、通夜では家族に「母が上から見とる」と、戦いに集中することを誓った。野球を始めたのも、大学進学が内定しながらプロのテストを受験したのも母の進言。墓前報告は「日本一」だけと決め、ついに果たした。

「今シーズンのプロ野球は震災の後、スタートしましたが、球団一丸になってやってきました。(被災者にも)勇気を与えられたと思います」

選手として西武の黄金期を支え、8度の日本一を経験。99年には鷹の主将としてMVPに輝いたが、指揮官としては初めて立つ頂だ。秋山ホークスの新たな黄金時代は、これから始まる。