◆巨人4x―1阪神=延長10回=(12日・東京ドーム)
延長10回、代打高橋由の打球が右翼席に飛び込む。巨人が2夜連続となるサヨナラ勝ち。歓喜に沸くナインの中で、もっとも喜びをかみしめていたのが内海だろう。
中4日のマウンドでも、1回からエンジン全開。球速は140キロそこそこだったが、攻めの姿勢が際立った。先制の直後の6回に鳥谷に同点打を浴びたが「切り替えができた」と、新井貴、ブラゼルを仕留めて勝ち越しは許さない。
同点で8回を投げ終え、首脳陣から「いけるか」と聞かれると「いかせてください」と即答した。捕手の阿部からも「おまえがいって打たれたらみんな納得するから」と背中を押された。9、10回とさらに腕を振り続ける。147球の熱投が「内海になんとか勝たせたかった」という高橋由の快打につながった。
負ければ自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出が消えるピンチだった。原監督は「見事な投球だった」と左腕をたたえた。3位を争う阪神を振り払い、左腕はリーグ単独トップの17勝目、防御率も1・74で1位に躍り出た。