コティリオンが坂路を走る時、よく橋口師は「あれはハーツクライの子だよ」とおどけて話す。もちろん同馬はディープインパクト産駒だが、それほど走り方は橋口厩舎の偉大な先輩に似ている。「ハーツもあのように脚を開いて走ったし体形もスリムだった」。父がサンデーサイレンス系で母父がトニービン。血統的にも2頭は共通項が多い。
距離に不安はないが、課題は折り合い。「他の馬うんぬんじゃなく、僕がうまく乗れるかどうか。うまく乗れたら、いい勝負はできる。内枠が欲しい」と、小牧は抽選での幸運を祈る。はっきりとは言葉に出さないが、プレッシャーは大きい。その分、成し遂げた時の喜びは倍返しで来るはずだ。今は静かに、人生をかけた戦いを待っている。