初場所は西前頭9枚目で8勝7敗と勝ち越し。春場所が開催されていれば、番付アップは確実だった。まじめに独自の相撲道を貫くことで知られる男は「悪いことばかり報道されている。夢に向かって汗を流している人たちも、たくさんいることを分かってほしい」と切実に訴えた。
初場所は中日までに7勝を挙げたが、9日目から6連敗を喫し、五分の星で迎えた千秋楽で給金を直した。「前日から緊張していた。真剣勝負をして勝って喜んだのに。『7勝7敗で勝つのはおかしい』といわれるのはつらい」。大相撲=八百長というイメージが広まる中、あえて強調した。
所属する鳴戸部屋では8日から、けいこを再開する。土俵で起きた相撲史上最悪の汚点は、猛げいこを重ね、本場所が再開されたときにクリーンな相撲でぬぐい去るしかない。