＊運命の出会い ③
自分が自分を許し、受け入れれば受け入れるほど、夫も私を受け入れ、私も夫を受け入れられた。
ひきこもりから脱するときに見ていたサイトには、自分の内側が外の世界に反映されるのだと書いていた。
なぜそんな仕組みになっているのか、それが本当なのか、それは分からない。
けれど実体験として、そこは密接に関係し合い、自分の精神状態や、目の前の状況や人生の捉え方によって、こんなにも自分や人はもちろん、世界全体が変わっていくことが不思議だった。
彼と出会う為に、この職場を選んだのだと思った。
決して魅力的とは言えない仕事に惹かれたのは、それが理由だったのだと。
彼といると、自分のすべてを表に出せた。
彼はどんな私も否定しなかった。
いつでも私を肯定して、１００パーセント味方してくれた。
出会ったばかりの頃、小さな行き違いで揉めたことがあった。
それまでの私の人間関係は、相手に勝手に期待し、幻滅して、何も言わずに離れるのが常だった。
けれど彼に対しては、はっきりと怒りを表明できた。
この人になら、本音を晒しても大丈夫だと、何故だか直感で分かった。
感情や想いを人に伝えることが怖かったのに、彼にはどんな自分でもさらけ出せた。
気持ちを誰かと共有する楽しさを知った。
彼と交際し始めて間もなく、私はその職場を辞めた。
次の職場は、就労支援の場だった。
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