殉教者みたいだって思った

オリジン

あの日
眼下で見た大きなイナバウアー


天を仰ぎながら
その身を捧げている姿









桜舞う春こい




疾走するハイドロ
氷に口づけて





大好きだと

愛してると

万感の思いをこめる


喜びや幸せをくれたことに

それがもたらした 

苦しみや焦り、恐れにすらも。










さいアリワールド終えて早2週間

まだまだ

あの日の彼が
頭から離れない









  
みんなが薄々
気づいてる事実


場内の温度管理や
GOEの不均衡
大会運営などに
数々の疑問が残った今大会


そして
引き続き
懸念される彼の古傷




様々な感情・情報が入り乱れ

憶測や
確信にも似た
推測もある中


ひとつだけ
ハッキリしてること



これは

観客以上に

誰あろう彼自身が

一番わかってること





傍観者に過ぎない 
ファンの私たちですら
辟易するような
問題の中でも尚


それを全部承知で 


闘うことを選ぶ









思えば

ずっとずっと前から
そうだった



悪環境であろうが
身体のコンディションであろうが

たとえ
どんな不利な状況でも

闘いぬくことを
自らに強いている
  


変えられない
八方塞がりの現実が
あるからこそ

圧倒的に
勝ち切るしか
突破口はないって
いつも腹を括ってる




そして

どんな時も諦めず
全力で期待に
報いようとしている


周囲の、

何より自分自身への。







おそらく


誰も彼を
止められないのだろう


コーチも監督も

理学療法士も

両親ですらも



フリー直前の公式練
あの日何度も何度も
跳びに行ったループ
見てられないくらい
繰り返し繰り返し
ゆづ友さんが
半泣きラインで教えてくれた
取り憑かれたようにって
まさにあのこと



そう、


彼の意思と強い衝動は

誰にも止められない



それは

なにものにも挫けない

彼の不屈の闘争心



闘うのをやめることは

生きるのをやめるに等しい、
と言わんばかりの。



闘うことが存在証明の
戦国時代に生きているのかと
嘆息するほどの。


 

だから

見ているこちらが
苦しくなるほど

自分を追い込む

余力なんて残さない

ギリギリまで攻める




倒れることですら

立ち上がる機会を
得られることと
捉えてる




それが彼






本当は

怖くて
辛くて
悔しくて

眠れぬ夜もある筈なのに







決して


逃げないって決めている



正面切って
正攻法で
立ち向かってく


必ず勝つって決めている


自分にも
この現状にも。





これは

今までも

この先も

ずっと変わらない

彼の強い覚悟





それのみが

唯一

彼を奮い立たせ


そして

追い詰める










だから


私たちファンも


覚悟を持たなければ


彼の覚悟に見合うよう。






彼が身をもって

教えてくれたものを


自分の中にも
蓄え育てよう






誠意と信頼で培われた


鋼の愛。


内省と客観


謙虚さを宿した矜持。



どんな時も目を逸らさず


受け止め


乗り越える聡明な勇気を。












最後に


そんな私たちの覚悟


彼にもひとつだけ


知ってて欲しい










期待に必ず報いてくれるから


こんなに


好きなわけじゃないってこと。









誇らしい栄誉も記録も



望んでない





ただ



応援したくてしてるだけ






せずいられないから


してるだけ。









彼のための応援だけれど

元を辿れば全ては
自分の欲求から
派生していること




だからこそ






彼のためにと思うことが

ほんとに彼のためになるのか

巡り巡って
彼を傷つける刃にならないか





それを幾度でも

自問し続ける

ファンでありたい…




これが


ささやかな




私の覚悟。