学校には呪いがある。
べつに真夏のホラーとかじゃなくて。
「自分は何もできない」
「自分は大したことない」
という呪い。
多くの教員が転職に二の足を踏んでしまうのは
この呪いのせいだとわたしは思う。
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学校=学ぶ場所という性質上
大前提として
「ものを知らない生徒」
「すべてを知っている教師」
という構図がある。
この構図が揺らげば学校の存続にかかわる。
ゆえに、教員の世界で
「ダメ出しは善であり愛である」
という価値観は絶対的な常識だ。
ほめてばかりでダメ出しができない教員
有益なフィードバックができない教員に
存在意義はないとでも言わんばかりの
目に見えない圧が確かに存在する。
そして同時に生徒の側には
人から言われたことを直す=成長・向上である
という価値観が植えつけられる。
わたしはこれが呪いの始まりだと思う。
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教員の世界でも
「研究授業」という形で
そっくりそのままこの構図が繰り返される。
だから教員は、
自分が日頃から生徒に対してやっているのと同じことを
自分より格上の教員に対して許す。
全ての正解をもっている(とされる)人間に
ありがたい教えを請い
そいつの考える正解(とやら)に沿った授業を
超がんばって作る。
そこでは
自分で正解を作り出すことが許されない。
自分の外に正解があって
そこに合わせるほど高い評価がもらえる。
そんなことを繰り返していると
自分には何もできない気がしてくる。
人からのダメ出しがないと
不安で生きられなくなる。
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人から言われた通りに
自分を修正することが
成長や向上につながるとは限らないと
今のわたしなら思う。
だから今のわたしはもう学校では生きられない。
それは学校の人たちが
外の世界で生きられない、
と思うのと同じこと。
信じたことに合わせて
生きられる場所が決まる。
わたしから見れば呪いのようなことも
また別の誰かから見れば金科玉条。
それで世界は回っている。