これまで ずっと陸路で
気の向くまま 流れに任せる旅をした結果
インド シッキム州のnamuchiまでやってきていた
ここで突然
「namuchi から日本に帰る!」
となったときに
え?!そうは言っても!?
一体どうやって 日本に帰ればいいの???
私は 次どこへ向かえばいいの???
自分では決めたものの
自分でも 予想外の 進路に
次どこに行けば 日本に帰りつくのか 全くわからなかった
namuchiからJAPANって 規模でかすぎでしょ?!
とにかく 必死だった
なんにもわからないけど とりあえず namuchiよりは大きな都市に向かった
もちろん航空券も何にも持ってなかったけど いても立ってもいられなかったから
とにかく 今 できることを!!!
これだけ思って 移動しまくった
そういやちょっと前に出会った旅人が
air asiaがコルカタに乗り入れてるって言ってた!
たわいない雑談だったけど 聞いといてよかったーーー!!!
コルカタに空港あるんやん!!!
超遠い デリーまで行かなくてすむ!!!
次の町でコルカタ行きの方法を探すことにした
列車は安いけど 遅い!
バスは高いけど 早い!
迷うことなく バスを選択
夜行バスで 翌朝には コルカタに着く
私には 時間がなかった
一刻も早く 日本に近づきたかった
危篤なんだよ
せめて最後に一目会いたい
山の中のシッキムを出て 麓の街に下りると
そこには 当たり前の いつもどおりのインドが広がっていた
牛がそこらを歩き クラクションが鳴り響く世界
全てが騒がしく 全てがごちゃごちゃ
喧騒の街インド
当たり前すぎるインドの光景
バスの窓から流れる景色
久々にその喧騒を目の当たりにする私には
それらは全てがうっとおしく 心から疲れる光景だった
こんな心配事抱えて大変なときに こんな疲れる国 いたくない!!
こんな街の景色 見たくもない!!!
このとき初めて インドが嫌だと思った
このとき初めて 早く日本に帰りたいと思った
けどそうはいっても
今朝の 絶景広がるnamuchiでも 同じ事を思っていたな
とにかく 私の心は 日本にしかなかった
どんな美しい景色も 空間も
私の心の ほんとうに大切な領域までには入りこめないんだ
ほんとうに大切で愛するものと 一緒に過ごせるのなら
もう 他には
何も いらないのかもしれない
月を眺めて 思った
騒がしいインドの街をすり抜けて
バスは 月の影を落とし 田舎道の闇を潜り抜けていく