■まだまだ暑いので、うなべにしました。 | 桃兎の部屋

■まだまだ暑いので、うなべにしました。

うなべ
京都に「うぞふすい」で有名な店があって、度々訪れたのはもうずいぶん前のことです。 いかにも京都らしい佇まいと、筒切りでありながらきれいに骨もはらわたも抜けた鰻のおいしさには今も惹かれるものがあるのですが、老舗といわれる京都有名料理店に時折みられる、勘違いした経営者と従業員の態度に失望したことがあって以来、そこの暖簾をくぐることはなくなりました。

筒切りの技は到底無理としても、あの味をなんとか再現できないものかと自分流にしたのが、このうなべ。 材料は鰻の白焼き、白葱、春雨、あとはおいしいだしがあれば大丈夫♪ 今の季節、ちょっと贅沢に焼松茸を割いて加えるのもいいものです。

作り方は簡単。 まず昆布と鰹の合わせだしをとって(出汁の取り方は、6月の「切り干し大根とお揚げの煮物」をご覧ください。)大方は塩で味を調え、煮切酒を少々と香りづけほどの醤油を加えます。 白焼きは長手に切り、皮目の端に残っている細かい骨を取り除き3~4cmに切ります。 白葱は5cm位に切り、何本かまとめて串に刺します。 それを少し焦げる程度に焼き、焦げ目のついた一枚目は剥いてしまいます。 甘みのある焼き葱の準備ができました。 春雨はお湯に浸し、戻ったら笊にあげておきます。 だしに鰻を入れ、弱めの中火で少し煮て、ふっくらとしてきたら葱と春雨を加えてひと煮立ち、アクを掬って出来上がりです。 挽きたての山椒を添えて、どうぞ♪

波に兎の猪口にうなべ
家では一年を通じてお鍋を楽しみますが、このうなべは暑いときこそ、という感じがします。 お葱は冬の方がいいのですが、焼き葱にすればおいしくいただけます。 最後のお雑炊ももちろん、おいしいですよ♪


だしはなんといっても鰹節と昆布。 友人に教わって以来ずっと頼りにしている築地伏高の鰹節、昆布は、どれをとっても間違いがありません。 鰹節を買って都度削っていたこともあるのですが、急ぐ時や忙しい時に間に合わず往生したことがあって…。 伏高の上粉を知ってからはそれを使っています。 いつものだし用には上粉、昆布は日高の一等を。 少し気を使うときや昆布〆には真昆布、おひたしにふわっと載せたいときは細花、などと使い分けています。 もちろんこだわりの向きは本節を削るのが一番でしょう。

おいしいだしが引けると、調味自体は控えめの方が素材のおいしさを味わえます。 塩分の摂り過ぎを防ぐこともできていいでしょう?


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