「書を自らの楽しみとしてする」
私が大学に渋々入学した後に最初に受けた書道の授業で一番腑に落ちたのが
國學院大學の佐野光一教授のこの言葉です。
その時私は、中野の濱田素山先生の所へも書を習いに通っていました。
濱田先生には小学5年生の時から習っており、人生の節目節目でお世話になりました。
先生は毎日書道系列の前衛書を書く圭星会にいらっしゃり、その頃は稲村雲洞先生
もご健在で、大学の選択科目でも稲村先生の授業を取ることができました。
その頃の私は、ゆくゆくは大学を出て書の教員で身を立てるか、雑誌の編集者か記者
になりたいと漠然と考えており、さて書道とはどう付き合っていこうかなぁなどと
まじめに思い悩んでいました。
そんな折、おそらく初回の書道概論の講義の際に 佐野先生が 上田桑鳩先生の著書
『書を愛する人達へ』をご紹介下さりました。
書は自分の楽しみとしてやれば良いんですよ、とにこやかに語る佐野先生を前に
何も難しく書と自分の事を考えなくてもいいんだ、楽しんで良いんだと安心し、
目からウロコのような気持ちでした。
それからは東京学生書道連盟の連盟展の役員等係りもやったり、飲み会には欠かさず出たり、今思い出しても楽しく学ぶ日々でした。
